小学校英語は突破口になるのか
以前、産経ニュースウェブ版に小6の約3割が英語嫌いになっているという記事がありました。そんなに長い記事ではないので、ぜひ目を通してみてください。
小学校英語が本格導入されますが、その教育効果にはそんなに期待できないと私は感じています。一番の理由は、文科省は打ち上げ花火を上げるのは得意ですが、後のことは現場に丸投げだからです。今回も「あとはよろしくね~」でしょう。どこの世界でも、何かと苦労するのが現場なのは同じですけど。
小学校の先生方は、日頃からゲームやアクティビティの活用に慣れているので、英語を体で感じながら学ばせることは基本的には得意だろうと思います。しかし、英語指導自体は経験が不足しているので、私は2030年くらいまでは困難が続くと思います。軌道修正しながら英語教育の精度を上げていくとは思いますが、10年20年は厳しい試行錯誤の時期が続くと思います。
民間は?
今の状況に目をつけているのは民間の英語・英会話スクールです。キッズ・イングリッシュですね。幼児対象の英会話レッスンは昔からありますが、今はかなり需要があると思います。
子どもをキッズ英会話に通わせたい保護者の思いは、
- 自分が受けた教育では、英語はモノにならなかった。
- 自分の子どもには早期から英語を身につけてほしい。
でしょう。この思いは自然ですが、私見を述べます。
子どもに期待するだけでは
国や日本人の多くが理想とするような英会話スキルは、現状のままなら学校で身につくことはありません。今の状況なら、チャンスは学校の外でつかむしかありません。英会話スクールに通わせるのはオーケーだと思います。ただ、子どもに習わせるだけでもいけません。保護者もいっしょに、が私が考える理想です。子どもに英語を習得させたいと願うなら、保護者も練習しましょう。
理由1
この国の英語教育事情はこの通りですので、保護者世代で英会話を普通にこなせる人は少数派です。親は「英語のルールブックを覚える」(座学)で過ごしてきました。しかし、その子どもはこれから「英語を使う訓練をする」(実技)で過ごします。これからは親子間で、受けている教育内容にギャップが生まれ、認識が噛み合いません。習ったことが違うのですから。保護者も英会話の練習がどういうものかを体験すると理想的なのです。
理由2
保護者が英会話に主体的に取り組めば、その姿は子どもにとって大きな刺激となります。また、英会話スキルについて掘り下げて考えるようになります。「将来役に立つから」としか言えなかったこれまでと違い、英会話力のメリットを具体的に伝えられるようになるでしょう。コミュニケーションとは何かを一緒に考えるきっかけにもなりますね。
理由3
多くの保護者は、受験期が近づくと英会話をやめさせて受験勉強にシフトさせます。もし、保護者に英会話スキルがあれば、これがデメリットでしかないことに気づくことができるのです。
ハイレベルでなくてもいい
子どもに英語・英会話を覚えてほしいと思ったら、自身も英語に触れて下さい。中学1年、2年レベルだけで構いません。話せるようになるための練習に加わってみて下さい。自分も(基礎だけでいいので)英語スキルも上げてしまうのです。子どもの英語力も上がっていきますよ。
保護者は誰に習えばいいか
保護者はどこで、誰に英会話を習えばいいでしょうか。子どもと一緒に通ってもいいでしょう。NHKやスマホアプリで独学してもいいでしょう。でも、もし自分に合うコースがなかったり、独学を続ける自信がないのでしたら、いいのが一人います(笑)
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!