英会話を一週間や3ヶ月でマスターできるって本当?
ありますね、魅惑的なタイトルの教材が。3日で、12時間で、一週間でマスターする英会話。聞くだけ、あとは何もしないでマスターできる英会話。こんな感じのタイトルがたくさん。私は「12時間でわかる中学数学」というのを買ったことがあります。こういう教材はどういう人が手に取るんでしょうか。日々忙しい人ですよね。通常業務でも十分忙しいところに、英語が必要になったからといって、ホイホイ勉強時間を捻出できるかというと、それは難しいわけです。そんな時に出会ってしまうんですね、「3日でペラペラ!」というような表紙に。
速習本はありがたいですが、それを使って「聞けて話せるようになった」と実感する人は多くはないはず。英語ができるようになる人は、毎日(ほぼ毎日)、短時間でも何らかの練習をします。挫折する人は、本のタイトルへの期待が高すぎて現実とのギャップに落ち込み、あきらめてしまう人だと言えるでしょう。日々の練習の積み重ねがすべてなんです。これしかありません。
では、一週間とは言わないまでも、比較的短期間で会話に不自由ないレベルに到達するにはどうしたらいいでしょうか。
理想環境で一日2時間できるなら
英語を教える仕事をしていると、よく聞かれます。
「どのくらいの期間で話せるようになりますか」
お金を払って習うのですから、目安を知りたいのは当然のこと。私は次のように答えています。
1日2時間、誰にも邪魔されず、集中力も途切れないという理想環境下で6ヶ月後
個人差はありますが、この目安は多くの経験者に共感してもらえると思います。これをベースに、自分の現状を考えれば、何ヶ月後に成果が出るかイメージしやすくなると思いますよ。集中力には自信があるが、スケジュール的に1日1時間であれば1年などですね。スタート時点の知識量も影響しますし、目標とする到達レベルも人それぞれですから、そこも考慮は必要ですが。
時間確保は工夫で乗り切る
大学時代、私は英語関係を専攻していたので、英語に触れる時間は十分でした。一方、英語をマスターしようとがんばっていた後輩は医学部生。英語の勉強時間確保は、私より断然不利なわけです。忙しい講義の合間に、彼がやっていたのは、
部屋のあちこちに付箋を貼る
というもの。部屋中付箋で壮観でした。電話には、”I get the phone.”(電話を取る)、窓には”I close the curtain.”(カーテンを閉める)、洗面台には”I brush my teeth.”(歯をみがく)、付箋だらけ。彼へのアドバイスとして「一日の行動をひとつひとつ言えるようにするといいよ」と言ってあったんです。彼は、部屋の物と結びつく自分の行動をメモして貼り、医学の勉強の合間に覚えていたんですね。その後、彼がどの程度上達したのか。私が先に卒業してしまったので不明ですが、今頃はアメリカで医師をやっているのかも知れません。
最後に、次の言葉を贈ります。
Most people overestimate what they can do in a year and they underestimate what they can do in two or three decades.
(人は1年以内にできることを過大評価し、20年、30年以内にできることを過小評価する)
アンソニー・ロビンズの言葉です。コツコツやるしかないよ、やれば蓄積がすごいよ、結局は急がば回れだよ、ということですね。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!