英語話者はアルファベットを英語読みします(3)
前々回「英会話、ローマ字表記と英語表記の注意点(1)」はこちら
前回「英会話、ローマ字表記と英語表記の注意点(2)」はこちら
英語でのローマ字使用には注意が必要というお話の第3回です。
Silent Eについて
“Silent E”(サイレントE)という用語を聞いたことはありますか?英語教育現場では、発音指導の中身が大昔より格段に進歩していまして、Phonics(フォニックス)を取り入れている先生がたくさんいます(フォニックスに関してはこちらを参照して下さい)。Silent Eとはフォニックスで使われる用語です。
この記事のトップ画像に”GAME”と書いてありますね。敢えて聞きます。何と読むでしょうか。「ゲィム」ですね。「ガメ」とは読まないことがわかっていればオーケーです。
英語のつづりと読み方には一定の規則があります(めちゃくちゃなつづりもたくさんありますが)。Silent Eは代表的なもので、次のようなルールです。
つづりが”e”で終わる単語では、そのeは発音せず、そのeの直前の母音はアルファベット読みする
アルファベット読みとは、Aを「エィ」」、Eは「イー」、Iは「アイ」、Oは「オゥ」、Uは「ユー」と読むということです。このルールにより、”cake”は「ケイk」と読むんです。最後のeは発音せず、aは「ア」とせず「エィ」。それで「k-エィ-k」。言葉で説明するとまどろっこしいですが、直感的にわかっている人は多いはずです。同じように、”Pete”は「ペテ」ではなく「ピーt」です。”five”は「フィヴェ」ではなく「ファイv」です。”nose”は「ノゼ」ではなく「ノゥz」、”tube”は「ツベ」ではなく「テューb」です。
日本語のローマ字表記を英語圏の人に伝える場合
Silent Eを説明しましたが、日本人の名前で、例えば「やまね」という人は
Yamane
と表記されます。これを英語ネイティブは何と読むと思いますか?そうです、
ヤメイン
です。きちんと読み方を教えてあげない限り、山根さんはヤメインさんだと思われてしまいます。以下、同じように、
- 心音(Kokone)さん⇒ココゥンさん
- 加計(Kake)さん⇒ケィクさん
- 長谷出(Hasede)さん⇒ハスィードさん
- 秀(Hide)さん⇒ハイドさん
- 久米(Kume)さん⇒キュームさん
のように読まれてしまうことが多いです。
日本語のように読んでもらう方法
これらのようなお名前を、その都度説明しなくてもきちんと読んでもらう方法があります。Yamaneさんの場合、Yamanéと表記するんです。そうすると「やまね」と読んでもらえます。eの上に記号が振ってありますね。éになっています。フランス語のアクサンテギュという記号です。これが付いたeは「エ」と発音することになっているんです。英語でアクサンテギュは使いませんが、大体の人は”é”は「エ」と読むと知っています。これを使うと、Kakéは「かけ」、Hidéは「ひで」と読んでもらえるようになりますよ。参考にして下さいね。
番外編:ポケモン
ポケットモンスター、縮めてポケモン、世界中で人気です。英語版は”Pocket Monstersで行くのかと思いきや、日本式の”Pokemon”で通っています。Pokemonは、”poke” + “mon”の組み合わせですから、前半分のpokeを英語読みすると「ポゥk」です。作品を知らない人は「ポゥkモン」と読んでしまいますね。それへの配慮があります。画像を御覧ください。
pokeではなく、”poké“になっています。
日本語ローマ字の表記法と読み方は、世界に周知されているわけではありません。英語圏の人たちは普段の自分たち流で読むのだと頭の片隅に置いておきましょう。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!