わかりやすければよいというものでもないかも
書店は好きですか?今ではネットで注文するのが手っ取り早いので、書店に足を運ばなくなったという人も多いですし、電子書籍に慣れてしまって、紙のページをめくること自体がなくなったという人もいますね。それでも、街中の書店は良いものです。もっとも、私は青木まり子現象があるので、書店はちょっとだけ苦手なんですが。
書店と言えば、ここ十数年くらいかな、「誰でもわかる相対性理論」とか「2時間でわかる高校数学」とか「すぐにわかる聖書」など、だれでもすぐにわかる系の本が増えています。長らく社会人をしていると、「学校の勉強、もっときちんとやっておけばよかったな」と考える人は多いようで、その思いに応える形でこのような「すぐの本」が出版されるようになったのだと思います。いいことですね。しかし、物理であれ数学であれ、すぐに理解できるものではありません。現役高校生のように理解するには一定の時間が必要です。
実は、要点だけをサラッとまとめた本や、逆に解説が丁寧すぎる本は記憶に残りません。英語の勉強でも同じです。もし、あなたが本を手にしてみて「わかりやすそう」と思ったら一旦考え直してください。そして、自分にこう問い直してみましょう。
この本は果たして記憶に残るのだろうか?
と。学校や塾で英語を教えた経験で言うと、めちゃくちゃ丁寧な説明をするとその時は納得してもらえますし喜ばれますが、試験の正答率が高まるとは限りません。
「わかった気になる」のが一番怖いんです。覚えたはずのことを再現できないのですから。記憶力のせい?そうとも限りません。英語でも数学でも、習ったら問題演習をします。そして間違えます。理解が欠けているから間違える。だからこそじっくり考えます。やがて解けるようになります。ここが一番大事なはず。間違えた問題は印象に残り、苦労した思い出として長く記憶に残るものなんです。ということで、教本と買おうと考えているのでしたら
脳に多少の負荷がかかるもの
を選びましょう。明快な説明が逆に記憶に残りにくいという場合があるんです。ちょっと説明が不親切かなぐらいの本が後々有効であることも多いです。じっくりと向き合い考えることで理解を深めていくというのも大事なことだと思います。楽より苦労の方が長期記憶に残ることもあります。本を買う時に参考にしてみて下さい。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!