1996年の思い出

8月のある朝、とある町の空港に降り立った私は荷物を受取ると、急ぎインフォメーションデスクに向かいました。1996年、シカゴ国際空港。人生初のアメリカ大陸。大学院留学が叶い、彼の地に到着したまでは良かったのですが。シカゴからコネチカット州ハートフォードへの接続便が、なんと翌日の予約になっていたのであります。到着して初めて気付いたという呑気な留学生、工藤 裕。旅程をまともにチェックしていないといういい加減さ。呑気という名の才能だと信じます。

さて、すんなり行けると思っていたのに、急遽シカゴで一泊ではありませんか。今思えば、フライト変更手続きに行けばよかったと思いますが、時差ボケや疲労の影響でしょうか、まともな判断はできませんでした。一泊しないとダメだと、その時は思ってしまったんです。それでインフォメーションに行って、「どこでもいいからホテル、送迎ありで」とお願いしました。これが初アメリカ大陸での英会話となったのです。

空港まで迎えに来てくれる宿を希望した訳ですが、30分おきくらいの送迎らしく、しばらく待てと言われました。

「次の送迎バスの到着が、◯◯時なので、ホニャララにはここにいてね」

と言うお姉さん。確かにあなたは言った、

“Five of.”

と。とっさに判断する私。

「5分前」ってことね。

そうか、そういう言い方があるんだね。教科書にはないよ。でも、いいこと知った。

そう、時刻の言い表し方です。”Five of.”とサラッと言われました。省略が入っていますが、あの時、確か11時のバスだったような記憶がありますので、

five of eleven.

の略ということになります。10:55という意味です。その通りに行動したら、無事ホテルに到着。一泊して、翌日国内便で目的地に飛びました。万事オーケーでしたよ。

時刻の英語表現で、「~分前」と「~分過ぎ」を習ったとき、ofを習った人はいないはず。教科書では、toとpastですね。「7時10分前」は”ten to seven”、「7時5分過ぎ」は”five past seven”です。ofを使うとは、私はシカゴに到着して初めて知りました。

“Five of.”と言われた。それは、”Five of eleven.”の省略だろう

上述の会話だけで、なぜ私は初めての表現でもピンと来たのかですが、その理由はけっこう参考になると思いますのでお伝えします。ポイントは、話をしながら壁の時計を見ていたということと、自分の耳を信じたということなんです。

いくら勉強したところで、英語圏に一旦入ってしまえば、知らない表現にいくらでも出くわします。また、日本語圏外にいますから、特に数字は注意して聞くようにしましょう。数字が使われる表現と言えば「時間」と「金額」です。どちらも大事ですからね。

しばらくして生活が落ち着き、改めて英和辞典を調べてみたらありましたよ、上の会話で使われていた”of”の用例が。このof は一生忘れないくらい印象に残っています。小さな単語が一生ものの思い出になった、あの夏の出来事でした。

ありがとう、of。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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