お辞儀文化とハグ文化
お辞儀は良い
日本人のお辞儀は、西洋人にはとても流麗に映るそうです。欧米人のお辞儀はすこしぎこちない印象がありますが、向こうからすると、私たちのお辞儀は自然で流麗に見えるのでしょうね。お辞儀は、やりすぎればヘコヘコしたイメージになりますが、もともとはキレイなものです。日本人は礼儀正しいという一般的なイメージがありますが、お辞儀も理由のひとつなのでしょう。
個人的な話ですが、20年以上も前、鮮明な記憶として残っていることがあります。大阪の空港での話。私のそばにいた日本人男性が、アメリカ人らしき男性にぶつかったんです。そうしたら、その日本人男性はぶつかった相手を見て、表情をこわばらせてしまいました(あの頃の日本、外国人を見るだけで緊張する人が現在の2倍以上と推定)。その瞬間、
「ソーリー!!」
と言って、姿勢を正し、お辞儀をしたんです。ぶつかられた側のアメリカ人らしき男性は、やさしい笑みを浮かべていましたが、彼にとっては「ものすごい誠意」を感じたのではないかと思えました。ぶつかった方の男性は、ほぼ間違いなく、
「やべ、ガイジン、英語できね~し、どうしよ」
と思いながら、とっさにお辞儀したんだと思います。でも、そこにお辞儀があったからこそ、微笑ましく、かつ誠意ある謝罪になったと思います。お辞儀っていいものです。この男性、ステキです。英語を話しながら仕草は純日本風っていうのも今後はアリかもしれません。
ハグも良い
では、欧米文化圏の習慣で美しいと感じるものには何があるでしょう。お辞儀との比較ということなら、
ハグ(hug)
だと思います。「抱きつく」というのとは違って、ハグは美しいなと思います。日本でも若い人を中心にハグする人が増えてきましたね。私が高校生、大学生の頃は、「ハグ」というカタカナ語は一般的ではありませんでした。誰もしていなかったですし。
私が初めてハグしたお相手はスペイン人学生のマルタさん。大学で仲良くしていた一人でしたが、ヨーロッパの流儀をいろいろ教えてくれました。ある日、「夏休みの帰省でしばらく会えなくなるわね」とハグを求められ、手順の指示があり、これが私の初ハグ(my first hug)となりました。スペインは頬のくっつけ合いが左右一回ずつ。その後、ドイツ人とハグしたときは、右頬一回だと知りました。往復しようとしたら、ストップがかかりまして。アラブ系の人たちは、男性同士も軽いハグと頬へのキスをしますね。お辞儀に代わる友情の証しを体験できたのはよかったです。ハグも美しく、良いものです。
ハグは安心感も与えてくれます。日本人もお辞儀と同じくらい、ハグしてもいいんじゃないかなと思う私です。もし直接お会いする機会がありましたら、私には遠慮なくハグして下さい(Hug me tight.)。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!