アオバトはわざわざ海にやって来て溺れる。人気図書「ざんねんないきもの事典」のトピックのひとつです。生き物の生態を「残念」の観点から切り取ったおもしろい本ですね。

■残念

悲しい知らせや状況について、「残念だ」と言いたい時に使う表現のひとつに、That’s too bad.があります。thatは相手が言った内容やニュースの内容を指します。too badは直訳すると「悪すぎる」ですが、転じて「残念」の意味になります。

(1) That’s too bad. (それは残念だなあ。)

また、a pityを使っても表せます。「残念なこと」「気の毒なこと」という意味の名詞です。

(2) a pity (残念なこと、気の毒なこと)

最も単純な使い方は、何かの知らせを聞いたり知ったのを受けてIt’s a pity.と言います。

(3) It’s a pity. (残念だなあ。)

また、感嘆文にして使うこともあります。感嘆文とは「What + a + 名詞!」の形を言い、主に驚きを表す文のことです。

(4) What a pity! (なんと残念な!)

何が残念なのか、その内容を具体的に言い表したい場合は、It’s a pity that [文].の形を使いましょう。例えば、近頃は外で遊ぶ子どもが少ないという話だとすれば、次のように言います。

(5) It’s a pity that children spend so little time outside nowadays. (近頃は子どもたちが外で過ごすことがほとんどない。残念なことだ。)

残念や気の毒を伝える表現は他にももちろんありますが、カジュアルに使えるものとしては、これらを知っておくとよいと思います。

■pityの他の用法

上でpityの基本使用例を紹介しましたが、pityは別のニュアンスでも使われます。「同情、哀れみ」です。上の例と違う点は、aを付けないというところ。不思議な感じがしますが、a pityは「残念」、pityは「同情、哀れみ」と覚えてください。次のように使われます。

(6) I agreed to go out with Ben out of pity. (ベンとデートすることにしたのは哀れみからよ。)
(7) I don’t want pity. All I want is money. (同情はいらない。ほしいのはお金だ。)

ちなみに選挙やコンテストなどの投票で言われる「同情票」はpity voteと言います。

(8) That guy just got the pity vote. His singing just wasn’t that great. (あいつは同情票をもらっただけだよ。歌はそんなにすごくなかったもの。)

次に、「同情する、哀れむ」と動詞的に表す場合です。pityはそのまま動詞として使うことができます。pity [人] for [理由] の形を使えばオーケーです。

(9) I pity them for their helplessness. (彼らは無力でかわいそうだ。)

また、take pity on [人] というフレーズもよく使われますよ。

(10) We took pity on the little cat and fed it. (私たちはその小さいネコがかわいそうになって、食べ物をあげた。)

最後に、pityを使った慣用フレーズをひとつ。more’s the pityです。意味は「残念ながら、あいにく」で、unfortunately (残念ながら、あいにく)とほぼ同じ。慣用フレーズですから、このまま覚えて使いましょう。

(11) We cannot accept your offer, more’s the pity. (残念ですが、御社の申し出はお受けできません。)

ひとつの単語に複数の意味があると、学習者としては覚えることが多くなってIt’s a pity.なのですが、日本語を覚えようとがんばっている人たちもきっと似たようなことを思っています。お互いさまですね。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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