■cutting-edge
街に出かけて「物」を楽しむ機会は以前よりは減りました、私は。当然と言えば当然で、昔は「物」を手にしないと、物だけでなく情報も手に入らなかったからです。極端に言えば、現在は衣食住に関する物以外はスマホの中にあるような、そんな時代ですよね。それだけ「デジタル」という概念が人間社会にもたらしたインパクトは大きいということなのですね。歴史で習った産業革命みたいなものか、たぶんそれ以上でしょう。
IT(情報技術)やAI(人工知能)が予想もしていなかったところで応用されるなど、今の機器類は本当に進んでいます。技術の進化に頭がおいつきません。最先端とはそういうものなのでしょうけど。最先端、最新鋭、世の中は常に新しいものを探し求めていますね。
「最先端の」「最新鋭の」を英語ではcutting-edgeやstate-of-the-artと言います。どちらのフレーズもハイフンで結ばれ、1語扱いの形容詞です。
cutting-edge
名詞として使う場合はハイフンなしのcutting edgeと言うのですが、元々の意味は「刃先」です。刃物の先端がたいてい鋭く尖っていることから、先端技術を刃物の先っちょになぞらえてcutting edgeと呼ぶようになったわけです。これを形容詞として使う時にはハイフン付きで、となりました。
state-of-the-art
このフレーズを初めて知る人は、どうして「最先端、最新鋭」の意味を持つのか不思議だと思うことでしょう。字面的には「芸術の状態」や「芸術の国」だと思ってしまいますよね。stateは「状態」や「州」や「国家」でおなじみですし、artと言われたらアートなんだから「芸術」でしょ、となります。実は、artの本来の意味は「スキル、技巧」なのです。職人の技、それがartです。学者の場合は頭の中にスキルが磨かれるイメージなので、artは学問の意味でも使われます。そして、一説ではstate-of-the-artは元々は「技術発展の現状」という意味だったらしく、時代と共に意味が変化して「最新の」になったのだとか。
cutting-edge, state-of-the-art、ふたつ紹介しましたが、例文はcutting-edgeを使うことにしました。参考にしてくださいね。
最後に、私の勘違いかも知れませんが、state-of-the-artはあまり使われなくなってきている(古くさく感じられている)とどこかで読んだ気がします。もしそうだとすると、cutting-edgeの方が使用頻度が高いかも知れません。
~今日のフレーズ~
cutting-edge 最先端の、最先端を行く、最新鋭の
■例文
(1) We need someone with a passion for creating cutting-edge design work.
(最先端のデザインワークを生み出そうという情熱に溢れた人間が必要だ。)
(2) What we are planning is cutting-edge technology that’s never seen in this country before.
(計画しているのはこの国では見たこともないような最先端技術だ。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!