OURを「あわ」と発音しないネイティブが多い件
私の年齢層だと、中学1年の夏休み前後にこんなことを暗記させられたものでございます。
I, my, me, mine / you, your, you, yours / he, his, him, his / she, her, her, hers
お経のように唱えて練習しました。こういう反復をしたのは、小学校の九九以来かも知れません。
OURの発音指導はありましたか?
単数形代名詞の後には複数形が続きます。「私たち」の段になると、
we, our, us, ours
になります。ここで、「私たちの」に当たる所有格のourですが、学校の先生は読み方をどう伝えていたか、覚えていますか?
「『あうあ』だよ」
と言っていたはずです。先生によっては
「ourと書いて『あわ』と読む」
と言っていたことでしょう。細かいことを言えば「あうあ」でして、「泡」とは少し違います。もっとも、現実の発話では、口唇の動きやら何やらが関わりますので「あわ」みたいなものですが。
ourのリアル発音とは
ourを英語ネイティブスピーカー(母語話者)は実際にはどう発音しているか、意識したことはありますか?ほとんどのネイティブは、自然なスピードの英語では「あわ」とも「あうあ」とも言っていないんです。これ、小さな驚きを感じるかも知れませんが、
R
と発音しています。つまり「あーr」です。学校で指導された「あうあ」とは全然違いますね。もちろん、ゆっくり話す場合には「あうあ」と言うことはありますよ。でも、ナチュラルスピードの会話では「あーr」と言う人が大半です。
ここで、以下のビデオをご覧下さい。英語の字幕が付いているので安心です。
Natural American English Pronunciation of I’M, OUR, and YOU Lesson
- 38秒のところで、「(ネイティブは)単語の発音を変えることがある」と言っています。
- 50秒を過ぎたところでは、ourをゆっくりと発音しています。ゆっくり強調しているので「あわ」と言っていますね。
- 1分を過ぎたところで、発音上のポイントを簡潔に説明してくれています。「口語英語では、自然な音の流れが好ましい」と。最初の例が、不定冠詞aに、anもあるのはなぜかです。発音しやすくするためだと明確に説明がされています。ここで、日本の芸人、ピコ太郎が一瞬登場します。
- 本題は2分54秒付近です。この方、はっきりおっしゃってくれています。“Generally, ‘our’ is pronounced ‘are’.”(一般的に、”our”(あうあ)は、”are”(あーr)と発音されます)
- 私は上で”R”と表記しましたが、このビデオの字幕では、BE動詞の”are”で音を例えています。言いたいことは同じです。学校では突っ込んで教えてくれないことをこうして説明してくれるのはありがたいですね。
- 3分7秒辺りからの例の発音は、英語リスニングのためにとても参考になります。ぜひ複数回じっくり耳を傾けて下さい。
ついでにビデオをもうひとつご紹介します。イギリス英語のourの発音です。イギリス英語は語末のRを発音しないので、ourは単なる「あー」と発音されます。こうなると、不定冠詞のaと聞き分けが難しいことがあるんです。その点にも触れていますよ。
How to Pronounce ‘Our’ Like a British Native
いかがでしたか?ポイントは、ourを「あうあ」と発音しているネイティブは実は多くないということです。リスニングの時に注意してみて下さい。また、ourの発音をここで述べたように真似すると、英文全体の発音がとてもスムーズになりますよ。自分の発音向上という点でもおすすめです。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!