今回は基本動詞helpについて説明します。真剣な学習者ならずとも知っている単語のひとつであるhelpですが、ちょっとした注意点があるのです。その注意点を知らずに使っていても意思疎通に問題はないのですが、こなれた英語を話したいと思うからこそ、学習者は練習を続けていますよね。これを機会に、ネイティブっぽくhelpを使えるようになってもらえればと思います。

なお、以下の内容はhelpが持つ複数の意味のうち、「助ける・手伝う」の場合に限定しています。「促進する」など他の意味で使う場合は、別の語法になります。

■helpは「助ける」の一番基本的な語

まずは超基礎から。helpは「助ける」の意味で使う最も基本的な動詞です。

(1) helpの発音(ヘゥプのように発音する方が自然に伝わる)

語彙が増えてくると、aidassistも覚えます。これらも「助ける」ですが、ニュアンスを確認しておきましょう。aidは「援助する」という訳語からもわかる通り、「必要とされる援助をする」ことです。災害などで派遣される人たちが行うイメージが覚えやすいでしょう。

(2) aid

次にassistという動詞もおなじみですが、こちらは誰かが行っている作業などを「補助的に助ける」という意味合いになります。アシスタントという言葉があるので、これもイメージしやすいでしょう。

(3) assist

■動詞helpの覚え方、「~を助ける」だけでは不十分

では文法的な話をします。教科書や単語帳で、初めてhelpの意味を習った時のことを覚えているでしょうか。たいてい、日本語訳の欄には~を助ける・手伝う」のように、訳語に「」が添えられています。これ自体は全く間違いではないのですが、日本語と英語の表現方法に違いがあるという意味で、注意が必要なのです。

日本語の「助ける・手伝う」は、目的語に「人」と「もの」のどちらも取ることができます。具体例を挙げましょう。

(4) 太郎は花子を助けた・手伝った。

(5) 太郎が執筆を助けてくれた・手伝ってくれた。

どちらも自然な日本語です。では、英語のhelpはどうかと言うと、目的語に来るのは「人」なのです(注:「助ける・手伝う」の意味で使う場合)。こなれた英語を目指す場合にはこの点を頭に入れましょう。例えば、

(6) John helped me. (ジョンは私を助けてくれた・手伝ってくれた)

は自然な英語です。しかし、

(7) [不自然] John helped my homework. (ジョンは私の宿題を手伝ってくれた)

日本語では自然ですが、英語では不自然なのです。なぜかと言えば、目的語が「もの」だからです。もちろん、例文(7)はコミュニケーション上は問題なく通じています。通じるということは、相手が「それは不自然だよ」と直してくれないということです。私たちが外国人の日本語をいちいち訂正しないのと一緒ですね。ですから、例文(7)については、私たちは気づきにくいのです。

「助ける・手伝う」のhelpは、目的語に「人」と覚えましょう。救いを届けるのはその相手だから、ということです。宿題や仕事を救うのではなく、人を救うというイメージです。

■では、「宿題を手伝う」を英語ではどう表すの?

上の説明を受けたら、当然疑問が湧きます。「宿題を手伝う」はどう言い表せばいいのか、ですね。例文(7)が不自然だというなら、自然な言い方は何?となるわけです。それが次の「型」です。

(8) help [人] with [もの]

これを使います。直訳すると「[もの]に関して[人]を助ける・手伝う」という感じ。withの意味の中心は「~を伴って」です。一般的には「一緒に」と習いますけどね。例文を見てみましょう。

(9) John helped Mary with her homework. (ジョンはメアリーの宿題を手伝ってあげた)

これが「宿題を手伝った」のパターンです。help [人] with [もの]なのです。上述のように、helpは「誰かを救う」が意味の中心にあります。英作文上は、homeworkではなく真っ先にMaryを救ってあげましょう。その救いが何で行われたかというと、それはher homeworkなのですよ、という発想です。それを踏まえて、少しだけ長めの例文をどうぞ。単語が増えるだけで、パターンは変わりません。

(10) John helped his brother with the work in the kitchen. (ジョンは弟の台所仕事を手伝った)

こなれた英語のキーワードは、help [人] with [もの]、と覚えてくださいね。

■日本語同様、「~が…するのを助ける・手伝う」という言い方もある

上の例では、「~の…を助ける・手伝う」という言い方を確認しました。日本語でもそうですが、英語のhelpでも「…するのを手伝う」という言い方ができます。例文で確認しましょう。

(11) John helped me plant the flowers. (ジョンは私が花を植えるのを手伝ってくれた)

help [人] + [動詞の原形]の形になっています。helpではこういう使い方もするのです。また、[人]がなくてもオーケーで、「…するのを手伝う」と言いたい時には、次のように表せます。

(12) I helped build the boat. (私はボートを作るのを手伝った)

実はこの形、文法の理屈上は不定詞のtoが隠れています。次の(11′) (12′)のように言うこともできますよ。

(11′) John helped me to plant the flowers.

(12′) I helped to build the boat.

toを使っても使わなくても文法的には同じなのですが、日常会話的にはtoなしの方が一般的なのです。細かい話をすると、イギリス英語はtoを使う傾向、北米英語はtoを使わない傾向と言われていますが、会話ではどちらもtoを省くとされています。toを使う使わないは、発音のしやすさなど、個人の判断でよいと思います。

いかがでしたか?今回は基本動詞helpの使い方について、説明しました。helpには「助ける・手伝う」以外に「促進する」「助長する」「役立つ」などの意味もあり、それらの場合にはそれぞれの用法があります。その時は、辞書などを使って語法を確認する必要があります。とはいえ、常に大事なのが基本です。「助ける・手伝う」の意味のhelpの使い方をきちんと覚えておくことは、こなれた英語を目標とするなら大事なことですよね。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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