「肉」をきっかけに”a”を知る
動物には”a”、肉は無冠詞
「昨日の晩ごはんは鶏肉でした」
と伝えるにはどう言えばいいでしょうか。パッと英文が浮かびますか?
I ate a chicken for dinner yesterday.
としたかも知れませんね。中学校の基本に忠実に、素直に作文するとこうなります。しかし、この英文だと
「昨日、ニワトリをまるまる1羽食べた」
という意味になってしまうんです。正解は
I ate chicken for dinner yesterday.
で、chickenの前に”a”はありません。無冠詞です。文法の基礎で習う不定冠詞の”a”がなく、付けないと間違いだと言われてきたのに、ない方が正解なんですね。意外に思えます。基礎英文法では、原則として名詞に”a”は付けるものと習います。基礎段階ではその通りですが、「”a”の有無で意味が変わるから注意しよう」というのが本当のところです。残念ながら、これを学校で時間をかけて習うことはありません。
“a”が付かないフレーズは、習ってはいる
冠詞(aやthe)は難しいです。原則としては名詞に付けます。でも、”a”を付けないで習っているフレーズもあるんですよ。代表例がこちらです。
- go to school
- go to hospital
go to a school, go to the school, go to a hospital, go to the hospitalとしても良さそうなのに、説明はありません。
“a”の有無による意味変化
実は、go to a schoolは「とある学校に行く」、go to the schoolは「その学校に行く」という意味です。例で説明します。
(1) My mother went to school in Tokyo.
と、
(2) My mother went to a school in Tokyo.
では意味が違います。例文(1)は「母は東京の学校に通っていた」です。2番目の文は「母は東京にある学校を訪問した」になります。hospitalの場合もニュアンスの違いは同じで、「通院した」と「病院を訪れた」です。
文法的に言えば、”a”を付けない場合は、学校や病院の建物ではなく「機能・役割」を表します。”school”は「勉強の場」であり、”a school”が「建物」です。同様に、”hospital”は「医療の場」で、”a hospital”は建物になります。
冒頭のchickenの話に戻りますが、”a”を付けないchickenは、生物種ではなくその機能である「食肉」を表します。a chickenが鳥類としてのニワトリです。したがって、”I ate a chicken.”では「ニワトリを1羽食べました」となり、驚かれてしまうわけです。料理の話では、”I ate chicken.”とするわけですね。
たった一文字、”a”のあるなしで意味が変わるなんて厄介に感じますね。でも、単語として存在しているので、”a”にもちゃんとした意味や使い方があるのだとわかります。
“a”を大事にしてあげてください。私からのお願いです。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!