権利の告知
警察官が容疑者の身柄を確保する時に、何か伝えますよね。「おまえには~する権利がある。証言はおまえに不利な証拠になることがある」などというものです。あの場面では4つの項目を容疑者に伝えることになっています。
ミランダ警告
ウィキペディアによると、あの告知文は”Miranda Warning”と呼ばれるとのこと。そのまま訳せば「ミランダ警告」ですが、日本では、権利の告知(読み上げ)、ミランダ・ルール、ミランダ準則、ミランダ法則などと訳されているそうです。この名称の由来やその他詳細はウィキペディアや専門資料をご覧下さい。
4つの告知内容
警察官が言っているセリフ(告知文)は、映画の中ではたいてい途中で切れますよね。実際には次の4つを言っています。
- You have the right to remain silent.
- Anything you say can and will be used against you in a court of law.
- You have the right to have an attorney present during questioning.
- If you cannot afford an attorney, one will be provided for you.
この4つ、国全体で定まった様式はなく、各自治体警察によって読み上げられる文言自体は異なるそうです。ここで挙げたものはウィキペディアから拝借しましたが、これも一例なのですね。
具体的には
4つの英文、日本語訳ほど難しい言い回しはしていません。各文の語法や意味をさらりと見てみましょう。
You have the right to remain silent.
「あなたには黙秘権がある」
直訳すると「あなたは黙っている権利を持っている」となります。remain silentは法律用語でも何でもなく「黙ったままでいる」という意味です。
Anything you say can and will be used against you in a court of law.
「供述は、法廷であなたに不利な証拠として用いられる事がある」
直訳は「あなたが言うことは何であっても、裁判所であなたに反対して使われる可能性があり、また使われることになる」。againstは「~に対して、反対して」と訳されますが、「~への逆風となって」というイメージです。
You have the right to have an attorney present during questioning.
「あなたは弁護士の立会いを求める権利がある」
直訳は「あなたは質疑の間、弁護士をその場に持つ権利がある」となります。attorneyはlawyerのフォーマルな言い方で、attorney generalと言えば司法長官のことです。
If you cannot afford an attorney, one will be provided for you.
「もし自分で弁護士に依頼する経済力がなければ、公選弁護人を付けてもらう権利がある」
直訳すると「弁護士に支払う余裕がなければ、一人があなたに与えられる」です。訳例は意訳で、この英文自体には公選弁護人という文言は入っていません。
4つの告知文、暗記して復唱してみてはいかがでしょう。言っているうちに法律に興味が出て、その道に進むかも知れませんよ。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!