英語の冠詞と総称のyouは鬼門

文法事項の多くは日本語と関連付けて説明できます。しかし、冠詞の”a”と”the”のようにどこまで行っても納得しきれない項目もあります。教えようにも教えきれない単元は存在し、文法偏重と言われる日本の英語教育でもしれっとスルーしている項目もあります。そのひとつがタイトルにもある総称のyouです。参考書には載っていますが、学校ではまず扱いません。サラッとでも触れる先生がいるかいないか。

「総称のyou」の説明に入る前に、評論調の英文でよく見られる単語にoneがあります。数字のoneではなく不定代名詞のことです。参考書風に言うと

聞き手と話し手を含む一般の人を表し、普遍的な事実や真理などを意味する文に使われる

というもの。こんな説明でわかる人が何人いるのか知りませんが、そう書いてあります。例えば、

One has to help one’s fellow.

(仲間は助けなければいけない。)

訳文を見ればわかると思いますが、oneは特に誰ということのない、不特定の一般人なんです。プロの翻訳家は訳出しません。その方が自然な日本語になるからです。そして、このoneは日常会話ではほぼ使われることはなく、フォーマルなニュアンスがあると言われています。古臭いと言う人もいます。

では日常会話でoneの代わりに使われるのは何かというと、youなんです。「あなた」の意味ではなく「一般の人」の意味で。これがわかりにくいんですよ。わかりにくいし、教えにくい。上の例文の単語を入れ替えて

You have to help your fellow.

としましょう。これを言われたとき、どう反応するかがポイントになります。たいていの場合は、このyouを「あなた」と解釈します。自分のことを言われていると感じますよね。

「え?私助けていますよ!」

と反論したくなりませんか?実は、このyouには「普通さ、仲間は助けるもんだよね」という意味で使われることもあるんです。上述のoneの意味です。難しいんです、総称のyouは。「会話の文脈で解釈するしかありません」と説明するしかないんです。でも、それでは悔しいので、少しでもわかりやすい例で説明をがんばります

総称のyouはこうやって理解しよう

(1)  youがあなたの場合

相手:How do you come to school?

(どうやって学校来るの?)

あなた:I come to school by bus.

(バス通だよ。)

基本通り、Iで返答します。

(2) 一般論を話す場合

相手:How do you go to the station?

(駅へはどうやって行きますか?)

あなた:You take the bus from here.

(ここからバスで行けばいいよ。)

youで返答するんです。雰囲気はわかってもらえたでしょうか。マスターできなくても困ることはありませんが、小説や新聞を読むと目にする機会はあります。「総称のyou」はネイティブ同士でも「あなた」なのか「一般の人」なのか混乱することはあります。”Which you is it?”(どっちのyouなの?)と聞き返している場面を見かけることもあります。

やっかいな単元ですが、「総称のyou」という存在だけでも知ってあげてください。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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