こんにちは。オンライン英語・英会話コーチ工藤 裕です。今日の英語表現、行ってみましょう!
「人は見かけによらない」「人を見た目で判断するな」というような言い回し、調べると英語にもたくさんあることがわかります。検索結果に多いのはことわざ表現で、このブログ読者である英語への関心が高いあなたならご存知でしょう。
今回は「人は見かけによらない」「人を見た目で判断するな」を英語でどういうか、よく使われる表現から紹介し、最後にあまり検索にもヒットしないフレーズを紹介しようと思います。
まず最初は、
(1) Don’t judge a book by its cover.
ことわざで、「表紙(の見た目)で本(の中身)を判断するな」ということです。人を本に例えた表現ですね。言い方を少しアレンジして
(2) You can’t/shouldn’t/mustn’t judge a book by its cover.
とする場合もあります。
例文(1), (2)はことわざということもあり、目的語がbookになっていますが、ことわざ感を省いて本で例えずに、直接「人」と言うこともできます。
(3) You can’t judge people by their appearance.
(4) You can’t judge a person by their appearance.
appearanceは「見た目」「外見」「外観」という意味の名詞です。ことわざ版のcover (表紙)に当たる部分ですね。
さて、(4)ではa personを代名詞theyで受けていますが、80年代以降から使われている「単数のthey (singular they)」と呼ばれるもの。性別を意識させないための工夫です。
伝統的には、You can’t judge a person by his appearance.と、代名詞は男性形で受けていました。これだと男性優位ではないかということで、by his or her appearance、あるいはby her or his appearanceという言い方をしていたのです。しかし、「彼・彼女」と毎回言うと、まどろっこしい感じも出てきました。それならば一回で済むitにしようか・・・とはならず(「物」を指す代名詞なので)、あえてtheyを使うようになったというわけです。
話を戻します。次の例文は
(5) Don’t judge people by their looks.
今度はappearanceの代わりに「見た目」「容貌」の意味の名詞looksが使われています。まだまだ言えます。peopleやpersonだけでなく、「他の人」と言ってもよいわけです。
(6) We can’t judge others by how they look.
(7) We can’t judge others by the way they look.
です。othersはother peopleのことですが、どちらを言ってももちろん可。例文(6), (7)では、how they look/the way they lookの部分が「見え方」という意味です。「どのような見え方をしているかによって他人を判断してはいけない」ということ。how they look/the way they lookの文法的な詳細はここでは省きます。手っ取り早く「見え方」と覚えてくださいね。
次も和英検索で出てくる表現のひとつです。
(8) Appearances can be deceiving.
(見た目は当てにならない。)
動詞deceiveは「騙す、欺く」ですが、派生語のdeceivingは「欺くような」で、「信じてるに値しない」、つまり「当てにならない」の意。別の派生語deceptiveを使ってAppearances can be deceptive.とする人もいます。
少し堅い印象を受けるかも知れませんが、次のような表現も「見かけによらない」に相当します。
(9) Things are seldom what they seem.
(見かけどおりのものはめったにない。)
こんな言い方を日常会話でさらっと使えたら達成感に浸れそうですね。what they seemは日本語話者にとってはスッキリとは理解しづらいですが、今は(9)をまるごと覚えてしまうことをオススメします。
そして最後に、「見た目で判断」の検索ではあまり出てこないフレーズを紹介します。
(10) People are not what they appear to be.
(人は見た目とは違う。)
構文の理解となると少しむずかしく感じるかも知れませんが、ぜひ知っておいてほしいフレーズです。peopleをIにして使ってみてもよいでしょう。
(11) I’m not what I appear to be.
なら、「私は見た目とは違う人間ですよ」「見た目の印象はあるかも知れないけど、私の中身は違います」「私を見た目で判断しないでほしいのです」という気持ちを伝えることができますね。
人は見た目が9割だと言われることがあります。書籍タイトルから取っているのでしょうけど、状況によっては一定の正しさはあると思います。その一方、どんな服装や髪型をしていようとも、ふだんは炎上覚悟の発言をしていようとも、家に帰れば優しい子煩悩なパパだったりということもあり、これまた真実ですね。
Are you what you appear to be or not?
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!