eメールは利用していますか?ここ数年はLINEなどのアプリが主流で、自分のメールアドレスを知らないという人が増えているようですが。
メールを使っていると経験するのがspam mail (スパムメール)。迷惑メールのことです。たいていは悪意の送信者ですが、無差別に大量送信される迷惑メールをspam mail (単にspamとも) と呼びます。宣伝・広告が目的であることが多く、配信を望んでいない受信者に一方的に送りつけて来ます。最近はメールだけでなく、スマートフォンのSMSにも届くようになっているとか。厄介ですね。
だいぶ前に、このspamという言葉を作ったのはイギリスのコメディグループ、Monty Python (モンティ・パイソン; 日本でいうドリフのようなグループ)だと読んだことがありました。
そのネタの動画がこちらです。
このネタの中で、Spam!を連呼することが「うざい」ので、うざいメールをspam mailと呼ぶようになったと。私に入ってきた情報ではそういう言い方でした。しかし、これだけだと、話の展開が乱暴すぎるなと思いました。ネタでspamと言い続けたから、spamという言葉を作ったのはMontyだとは、あまりすっきりしません。そこで、まだ他にも語源になるきっかけがあるかもと思い、ネットサーフィンしてみた暇人は私です。
日本でもスーパーなどで販売されている缶詰にSPAMというのがあります。この製品の1970年代に流されていたコマーシャルでは、SPAM! SPAM!と何度も繰り返していたそうです。
スパムCMの一例
You don’t say ham. You say SPAM! (ハムじゃない。スパムだ!)と歌っています。どうやら、Monty Pythonが作り出したというより、彼らはこのCMをベースに「ネタを作った」ということのようです。実際、上の動画内の会話も食べ物の話題ですし。
このネタ番組は私たちの「8時だョ!全員集合」に相当する人気ぶりでしたので、紹介されたことで、この缶詰は一気に有名になったらしいです。
以上の流れを踏まえれば、「Monty Pythonのネタがきっかけでspam mailというフレーズが誕生した」とは言えるでしょう。
spam mailは、インターネット以前の通信時代の1980年代後半には、もう出現していたそうです。当時の通信関係者が70年代のこのネタを思い出したのでしょう。「コマーシャルでSPAM! SPAMと連呼するのはうざかったよね。それをMontyがネタにしていたよね。迷惑メールもしつこくてうざいから、spam mailと名付けよう」とでもいうような雰囲気になったのではないでしょうか。
ついでに、缶詰のSPAMとは一体どういう商品なのでしょうか。ウィキペディアの説明を部分的に引用すると、
「スパム(英語: SPAM)とは、アメリカ合衆国のホーメル食品が販売するランチョンミート(ソーセージの材料を、腸ではなく型に詰めたもの)の缶詰である。」
「名前の由来について、ホーメルフーズ社は自社のウェブサイトで『SPAMはspiced hamの略ではなく、SPAMの意味はあくまでSPAMである』と述べている。」
SPAMという名称は、何かの頭文字を取ったものだという世間の説を会社は認めていないとのことです。Shoulder of Pork And Hamという無理のある説も紹介されていますが、これも会社は否定しています。さらに、私が目にした情報では、
Sizzle, Pork, And Mmm
(ジュウジュウ鳴ってる、豚肉、そして「んんん~」)
というキャッチコピー的なフレーズの頭文字を取ったと断言していましたが、たぶんこれも会社は否定しているでしょう。
缶詰のほうのSPAMの真相はわかりません。会社はユーモアで「SPAMはSPAMであり、何の略でもない」とし、実際には何かを略したのだろうと私は思います。
最後に、頭文字を取って作ったフレーズを日本語では「頭字語」と言いますが、英語では
acronym
といいます。例えば、国際連合(略して「国連」)のUnited Nationsを頭字語ではU.N.とします。
spam mailのspamは缶詰のSPAMに由来。コマーシャルやコメディのネタでの連呼がうざかったためとする説が有力。また、頭字語を英語ではacronymと言う。今回はそんなまとまりのないお話でした。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!