私は一度しか活用したことがないのですが、ネットオークションは勢いづいていますね。日本だけではなく、海外も同様のようです。
オークション、英語ではauctionとつづりますが、元々は「競売」。言うまでもなく、インターネット登場以前からある売買の手法です。美術品や著名人の愛用品、あるいは遺品に付けられる値段は時々ニュースで大きく取り上げられます。バンクシー(Banksy)の絵画作品が落札後にシュレッダーで裁断されたというニュースは記憶に新しいかと思います(https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/18592)。
さて、オークションという言葉は日本語では名詞扱いです。出品することを「競売にかける」と言いますが、英語の場合は、auctionがそのまま動詞としても使われます。
(1) I often auction old books and CDs online. (私はよく古い本やCDをネットオークションに出品します。)
(2) The painting was auctioned at Sotheby’s. (その絵画はサザビーズでオークションにかけられた。)
例文(1)にあるonlineについて補足します。onlineは「インターネット上で」という意味です。日本人の英語学習者はon the internet, on the netと表す人が多いです。これは決して間違いではないのですが、英語圏ではonlineと一言で済ませるのが一般的ですので、使ってみてはいかがでしょうか。なお、オンラインの意味を「テレビ電話・テレビ会議」だと思っている人が少なくないようです。もっと広い「インターネット上で」という意味だという点を確認しておいてくださいね。
■「フリマ」について
フリマ・アプリが定着していますが、フリマとは何でしょうか。これは「フリー・マーケット」の略語です。とは言っても、日本語の中の話で、英語で「フリマ」と言っても通じませんのでご注意を(「エアコン」と言っても通じないのと同じ話)。
これをfree marketだと思う人が多いのですが、実はflea marketです。日本語では「蚤の市(のみのいち)」と訳されます。fleaは虫のノミのこと。もともと不用品、ガラクタ品を処分する場であるのですが、並べられた大量の品を見て「ノミだ」と言った人がいたとかいないとか。語源は諸説あるようです。
free marketと言う言葉自体は存在し、経済学で言う「自由市場」のことです。このことから、個人が自由に商品を売買できる気軽な場所という意味にも解釈することはできますので、英語圏の人に笑われてしまうかと言えば、それはないと思います。
また、英語では、必ずしもflea marketと呼ぶわけではなく、日本語で言う「青空市場」のイメージのopen-air marketや、主催者のアイデア次第でいろいろな呼び方をしているようです。フリーマーケットのフリーfreeかfleaかにこだわる必要はなくなっていると言えるかも知れませんね。
以下の音声はfleaとfreeの音の違いについてです。日本人にとってLとRはいつも気になるところです。たまにでいいので、音の違いに意識的になってみましょう。
(3) flea marketの発音
(4) free marketの発音
■余談:「競売」の読み
蛇足ですが、「競売」。この漢字をどう読みますか?日常語では「きょうばい」と読んでいますが、法律や金融に携わっている人たちは「けいばい」と言っています。法律用語としては「けいばい」のようです。私の最初の就職先は「けいばい」と読むことになっている世界でした。なお、NHKは混乱を避けるために、一般か業界かに関係なく「きょうばい」に統一しているそうです。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!