■one-size-fits-all

ファッションにはさほど興味のない私ですが、そんな私でも服を選ぶ時はデザインとサイズが重要です。サイズの表記は、S, M, L, XLが一般的な表記ですね。これらに加えて、日本語ではフリーサイズという表記もあります。フリーサイズは和製英語ですので、英語でfree sizeとは言いません。いつ頃から使われるようになったのかはわかりませんが、ここ3, 40年ほどでしょうか。

英語では、one-size-fits-allというフレーズがあります。これが日本語でいうフリーサイズのことです。不思議なつづりに思えますが、元は

One size fits all.

という「文」です。この文の単語をハイフンでくっつけて一語扱いにし、形容詞的に使うのです。英語には時々このような言葉が出て来ますので、ハイフンにも注意を向けてみてくださいね。

さて、フリーサイズとはどういう意味でしょう。MLなど、大きさ違いを作らずに、ひとつのサイズで全員に合うということですね。どんな体格の人でも(一応)オーケーという意味です。もちろん、ぴったりフィットというわけではないですが、十分だということです。これを英語では、one-size-fits-allと言うわけです。

ファッションで使われ始めたフレーズですが、比喩的に他の領域でも使われるようになりました。例えば、アメリカの都市の条例に、犬を飼う時の条件として、庭の広さの規定があります。ただ、ここで疑問が生じます。

  • 小型犬はそんなに広さを必要としません。
  • 大型犬は広い場所を必要とします。
  • おとなしい犬はそんなに広くなくてもよいでしょう。
  • 活発な犬は広い場所を喜びます。

しかし、条例は平均的な犬を想定して決めた庭の広さをルールとして定めます。犬を飼う場合、庭の広さはホニャララ平方メートル以上にしましょう、と。このような取り決めを服のフリーサイズ、英語のone-size-fits-all、になぞらえるのです。つまり、誰が身に付けても問題ないという意味が、誰にでも当てはまるという意味に変化したのですね。one-size-fits-allで「万能の、万人向けの」という意味でも使われるようになりました。

しかし、これには否定的なニュアンスも感じ取れます。誰でもということは個性がないとも言えます。ひとりひとりの体格・体型に合った服をオーダーメイドで作るわけではありません。ただでさえ既製服なのに、サイズも一種類であれば「画一的」なのです。それしかない、多様性がない、選択の余地がないというのは「ワンパターン」ですから、ネガティブな印象を受けるのも当然です。

one-size-fits-all、万能よりは、ワンパターンの意味で用いられることが多いようです。

~今日のフレーズ~

one-size-fits all

(万能の、万人向けの、画一的・ワンパターンの)

■例文

(1) There is no one-size-fits-all approach to parenting.

(子育てには万能な方法などない。)

(2) I see the one-size-fits-all monetary policy as a disadvantage.

(画一的な金融政策は不利益をもたらすだろう。)

■Today’s One Word

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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