■fawn (all) over [誰それ]
ドラマや漫画の世界だけに思えますが、けっこういるんですよね、ゴマすりみたいな人が。本人にとっては上司などへの気遣いのつもりなのだと思いますが、周囲から見るとヘラヘラしていて、あわよくば自分の出世のためにやっているのではないかと思えます。ということは、相手に気を遣っているつもりの自分もそう思われているかも知れないと思うと、ちょっと怖いですな。捉え方は人によって違うので、仕方ないですね。
自分の利益を意識して人に媚びるさまを表す言い方で、よく知られている英語表現はpolish the appleだと思います。日本語では「ゴマをする」が英語では「リンゴを磨く」です。動詞1語での表現はflatterと言います。今回紹介するのは
fawn (all) over [誰それ]
です。「ご機嫌を取る、へつらう」様子を表すフレーズです。fawnは名詞では「子鹿」のことなのですが、そう聞くと、かわいい動物をかわいがるイメージがあり、それがゴマすりの意味に変わっていったのかなと想像してしまうかも知れませんね。単語のイメージ暗記としてはそれで問題ないですが、一応調べてみたところ、「媚びる」のfawnと「子鹿」のfawnは、語源的には別物だそうです。元々は別の言葉だったのですが、長い歴史の中でたまたま同じつづりの単語に変化したようです。なお、fawn overという2語一組のフレーズですが、allが加わることもあります。これは「全部」という意味ではなく、強調語として加えられているという理解になります。
なお、ゴマすりの人を指すフレーズには、apple-polisherやbrown-noserといった表現があります。調べればもっともっと出てくるかも知れません。利害関係が生じるとご機嫌取りが必要なことはありますが、まあ、いろいろ難しいですよね、人間の付き合いって。
~今日のフレーズ~
fawn (all) over [誰それ] ご機嫌を取る、へつらう
■例文
(1) People fawn over you when you’re famous.
(有名になると人がこびてくる。)
(2) You’re not going to get ahead by fawning over the boss like that.
(そんなふうに上司のご機嫌を取っても出世なんてできないよ。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!