■get out of hand
普段は無意識に話している言葉ですが、客観的になってみると比喩表現が多いことに気付きます。中でも、色や体の部位で例えた言い回しが多いと感じます。甲高い声は「黄色い声」、心に悪巧みを持っている人のことは「腹黒い」。余計なお世話は「首を突っ込む」と言いますね。色、身体の一部は比喩にしやすいと無意識に私たちは考えているのかも知れません。
援助のことを「手を貸す・借りる」と表すことがあります。使い古された平凡な表現に思えますが、これも比喩です。「手」が一本、二本余分にあれば作業は捗りそうですし。しかし、仕事や状況が自分の管理下に治めておけなくなると、それは自分の「手に負えない」ようになります。これも手ですね。英語も似た発想で表現します。helpの代わりにlend a handやgive a helping handなどの表現も使いますし、今回紹介するのは「手に負えなくなる」という意味で、日本語と同様のイメージです。
get out of hand
直訳は「手から出ていく」です。物事・状況が悪くなってくることを手からポロポロとこぼれ出てしまう様になぞらえているのですね。紹介フレーズは動詞getを使っていますが、すでに手に負えなくなっている状態を表す時には、getをBE動詞にして使います。また、誰の手に負えないのかを明確に表したければ、my hand, his handのように所有格代名詞を足してあげればオーケー。類似表現にはget out of controlがあり、これは字面通り「コントロールできない」「制御不可」という意味になります。
昨今は政治・経済・地球環境の悪化が問題ですが、SDGsなどの取り組みを通じて、全人類がどうにかしようとがんばっていますよね。out of handにならないよう、団結すべき時は団結したいものであります。
~今日のフレーズ~
get out of hand 手に負えなくなる
■例文
(1) We have so many tasks recently. It’s getting out of hand.
(最近はやるべきことが多いな。手に負えなくなってきてるよ。)
(2) The political demonstration is getting out of hand.
(政治デモが手に負えなくなってきている。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!