■put pressure on [誰それ]
一年中何らかの競技大会が行われていて、ニュース等で結果を知ることができます。表彰台の常連選手もたくさん見ますね。結果を出し続ける人の努力は想像が及びません。持って生まれた適性も関係しているでしょうけど、日々の鍛錬は相当きついことでしょう。また、心理的なプレッシャーも一般の人間には想像の及ばないほど大きいでしょう。
精神的な重圧をプレッシャーと言いますが、これはもちろん英語から。「圧力をかける、押し付ける、圧迫する」をpressと言い、その名詞形がpressureです。ここまではなじみのある話ですが、「プレッシャーをかける」の「かける」を英語ではどう表すのか、ここは知らない人がいるようです。
使う動詞はputです。私たちは「置く」と覚える動詞のputですが、必ずしもテーブルの上にポンッと何かを置く動作だけではありません。衣服などの着用ではput onという動詞句を使うことが知られていますが、putを含んでいます。置くというよりは、「乗せる」のイメージの方が正しいのかも知れませんね。身体上(肌の上)に布が「乗る」様子が着用ですし。
「人にプレッシャーをかける」、英語での発想は「人の上に重圧を乗せる」ということなのですね。それでput pressure on [誰それ] となります。
また、プレッシャーは主に精神的な重圧のことを言いますが、pressureは重圧がのしかかった困難状態も指します。「プレッシャーをかける」転じて「困難に陥れる」の意味でも使われますよ。
さらに、pressureがpressの名詞形であることから、対象は物でもオーケー。下の例文(2)を見てください。put pressure on pricesとなっていますね。「価格にプレッシャーをかける」とは「(現状の)価格を困難に陥れる」で、価格を据え置くのは難しい状態という意味になります。当然のことながら、物の値段に心理的圧力をかけるという意味にはなりませんね。
ちなみに、put pressure on [誰それ] という言い方から、プレッシャーと人のイメージ上の位置関係がわかります。この記事のトップ画像のように、人の上にプレッシャーが暗雲のように立ち込めているような絵が思い浮かぶでしょう。そこから、「プレッシャーがかかっている」と言いたい時は、be under pressureと言えばオーケーです。人はプレッシャーの下ですからね。I am under pressure.やShe’s under pressure.と言えばよいのです。
~今日のフレーズ~
put pressure on [誰それ] …にプレッシャーをかける
■例文
(1) My parents have been putting pressure on me to get a job.
(就職しろって親がプレッシャーかけてくるんだよ。)
(2) Experts said the shortage of supply would undoubtedly put pressure on prices.
(専門家は言う。供給の不足により間違いなく価格(の維持)は困難になるだろう。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!