■dibs
成長期のマセた時期には、あえて難しい言葉を使いたくなる時期があると思います。例えば、社会科で「権利」を習うと、普段の会話で頻繁に「権利、権利」と言う小学生など。また、30年程前でしょうか、サザエさんで、幼いタラちゃんが「要するに」という大人びた言葉を使いたがるという、謎のエピソードがありました。それだけで10分弱のアニメ作るのがすごい。ちなみに、その回のタイトルは「タラちゃん、要するに」でした。
単なる自己主張で権利、権利と言い過ぎるのは厄介ですが、権利は大事です。歴史的に見ても欧米人の権利意識は日本人のはるか上を行きます。ですので、日常の会話でも、right(権利)という単語は、頻繁に出てきます。人権、所有権、日照権など、権利にはいろいろありますが、今回紹介するのは、所有の主張を表す一風変わったフレーズです。
dibs
辞書を調べると、「分け前、所有権」と出てきますが、所有権という訳語は堅い。dibsは口語表現なので、「自分の取り分」くらいのニュアンスで理解しましょう。実際の会話の雰囲気からすると、「~は私のもの!」と声を上げる感じです。カジュアルフレーズですから、法律上の所有権を主張する時に使うものではありません。
では、その「~は私のものだ!」の言い方です。まず、dibsはいつも-sを付けた形で用います。次に、よく使われるフレーズは次のふたつですので、これを知っておけば十分でしょう。
(a) have dibs on [何々]
(b) call dibs on [何々]
動詞はhaveかcallを使い、前置詞onを使うという点を覚えましょう。これで、「~は私のもの!」となります。I have dibs on the front seat!(前の座席は私ね!)や、I call dibs on this candy bar!(このチョコバーは僕のだ!)のように使ってみましょう(candy barとは、スニッカーズなどの棒状のチョコレート菓子のことです)。友人同士やきょうだい間で言いそうですよね。
なお、onの後ろに「人」を取ると、「その人は私の物」という意味。これからアプローチするぞという感じです。
上の(a), (b)が基本形ですが、何が話題になっているかがはっきりしている時は、I call dibs.や、もっと短くDibs.と言うこともできます。カジュアル会話で省略が多いのは日本語も英語も似ていますね。
以上、教科書にはまず出て来ないであろうフレーズでした。
~今日のフレーズ~
dibs 優先的に所有する権利
■例文
(1) I have dibs on the last piece of pizza!
(最後のピザは私の物だ!)
(2) He is gorgeous. I call dibs on him!
(彼、ゴージャスね。私のものよ~!)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!