■grow into [何々]
成人年齢の前後で、身長の伸びなど、身体的な成長は目立たなくなりますが、内面は日々成長を続けます。「今日はこれができるようになった、明日はあれをできるようになろう。」「物事の見方・考え方が以前より深みを増してきた。経験を積んだからだな。」失敗も含め、いろいろなことを経験し、吸収し、人は大きくなっていくのでしょう。
「成長する」を英語で表す時には、もちろん動詞growが思い浮かびます。代表的なフレーズはgrow upです。growだけでもいいのですが、数値や程度が上昇するイメージでgrow upと言います。ちなみに、「大人になれよ!」と言ったり言われたりしますが、英語では“Grow up!”が一番シンプルな言い方です。
普段の会話では、成長は「大人になる」という意味で使われることが多いですよね。「大人になったら・大きくなった何になる?」と子どもに聞いたりします。今回のフレーズは、「成長して・大人になって~になる」の言い方です。学習参考書ではgrow up to Vという不定詞を用いた言い方が載っているのが普通ですが、それよりもほんのちょっとシンプルな言い方を紹介します。
grow into [何々]
で「成長して~になる」「大きくなって~になる」という意味です。前置詞intoが使われていますね。intoは基本的には「中の方へと」と覚えますが、もうひとつ「変化」の意味でも使われると知っておきましょう。「~の中の方へと成長する」という直訳からは理解しづらい表現ですが、便利なフレーズだと思います。
下に挙げた例文で基本的な使い方がわかると思いますが、比喩的にも使われます。例えば、低気圧が「発達」することをgrowで表し、grow into a hurricane (発達してハリケーンになる) と言ったりできます。また、仕事や役割などへの「慣れ」を成長に例えて、grow into one’s new role. (自分の役割に対処できるようになる) のような表し方もします。
今回はgrow intoを扱いましたが、「変化」の意味のintoは他にもちらほら見られます。turn into …がよく知られた例でしょう。「~に変化する」という意味です。例えば、紅葉の話題では、“Leaves turn into red and yellow in autumn.” (秋には、葉が赤や黄色に変わります) のような文に出会います。
「中の方へと」のintoが、なぜ変化の意味を持つのか。意味上の接点が見出しづらいですね(笑)前置詞と言えば、場所を表す言葉のイメージが強いかも知れません。普段は定型フレーズを覚えたり、名詞や動詞の語彙増強に注力しがちですが、たまには前置詞にも目を向けてみましょう。
~今日のフレーズ~
grow into [何々] 成長して~になる
■例文
(1) Laura grew into a beautiful woman.
(ローラは成長してきれいな女性になりました。)
(2) I’m surprised. That naughty kid has grown into such a competent adult!
(あのやんちゃ坊主が成長してこんな有能な大人になったことに驚いております。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!
grow into a hurricaneの例:
Camille began as a small rainstorm and grew into a hurricane off the south coast of Cuba.
カミーユは始め、小さな暴風雨だったが、キューバ南岸で発達してハリケーンになった。
grow into one’s new roleの例:
After several weeks of training and practice, Mary grew into her new role as a public speaker and delivered an outstanding presentation at the conference.
メアリーは数週間の研修期間を経て、人前で話すという新たな役割を担うようになり、会議ではすばらしいプレゼンをおこなった。
Thank you for sharing your examples!