■move along
今回紹介するフレーズは、とても簡単ですが、使い方に気をつけましょう。
move along
「前進する」という意味です。moveだけだと「動く」で、意味に方向は含まれませんが、alongが付いています。この場合のalongは副詞で、「前へ、先へ」の意味なので、字面上は「前進する」となります。
ところがこのフレーズ、座学の知識だけだと、会話で上手に使えないかも知れません。対訳は「前進する」となっていますが、裏の意味に「立ち止まらない」があるからです。ですので、「立ち止まらずに前進し続ける」とこの場で覚えてしまってくださいね。move without stoppingなのです。
「止まらずに」はこのフレーズの大事なポイントです。下の例文から、move alongの使用状況をイメージできると思いますが、イベント会場で誘導の仕事をしたらバンバン活用できることでしょう。「止まるな、止まるな、進め、進め」です。人の流れを止めたくない時には、“Move along!”と声をかけてみましょう。
ところで、外国語をやっていると、日本人なら、または英語ネイティブなら、どういう言い回しがパッと出やすいのかが学べておもしろいです。
人の行列の流れを止めたくない時、日本語の傾向としては「止まるな」がパッと出やすいと思います。日本語的な発想は「『止まらない』ことを望む」なのかも知れません。「するな」型の発想です。その人が英語で混雑対応をしたら、咄嗟の英語は“Don’t stop.”と言うことが多そうだなと思います。
一方、英語の傾向は、“Move along“、つまり「進んでください」の方が強そうです。発想が「『進み続ける』ことを望む」である印象です。こちらは「しろ」型の発想だと考えられます。英語ネイティブの人が、日本語で混雑対応を担当したら、咄嗟の日本語は「前に進んでください」などになるかなと想像します。
同じ状況を前にしても、「するな」型の表現を取るか、「しろ」型を取るのか、表現の仕方が日英で異なることがよくあります。言語文化の一端が垣間見える瞬間です。私は、外国語の勉強にはそういう楽しみもあると思っていて、そんな考えから、今回はmove alongを取り上げました。
~今日のフレーズ~
move along 前進する、立ち止まらない
■例文
(1) The police told the curious crowd to move along.
(警察は野次馬に、立ち止まらずに前に進むよう言った。)
(2) Move along! There’s nothing much to see here.
(立ち止まらないでください。ここには見るものは特にないですから。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!