■hit the wall
万事順調だと思っていると、ある日突然そうではないことがわかります。眼前の状況は最高で、進んで来た道は問題ないと思っていると、壁が立ちはだかります。大丈夫だと確信したはずの計画がうまくいかず、壁を前に引き返さなければと思うと、それは落ち込みますよね。
最初のうちは良好だったのに、うまく行かなくなることを「壁にぶち当たる」と言うことがあります。文字通り、人や車が壁に衝突することもあることから、比喩的に使われる言い方です。英語でも、この発想は共通していますよ。
hit the wall
こちらも、文字通りの壁への衝突の意味から、物事の状況が悪転すること、つまり「壁にぶち当たる」です。また、主にスポーツでエネルギーが不足するなどして、肉体疲労がピークになることをも指します。「ばてる」です。そこからさらに、メンタル部分の描写で、「心が折れる」「行き詰まる」という意味でも使われます。
日本語と発想が似ていたり共通している表現は覚えるのが楽でいいですね。勉強や仕事などでは、時々「壁にぶち当たる」ことがあります。そんな時に、自分が言うかも知れないし、友人や同僚がこのフレーズを使うかも知れません。「あ、以前覚えたフレーズだ!」なんて思えたら、少しは気分が晴れるかも知れません。
目の前に壁がある時、もう引き返せない、永遠に行き止まりかも、と思ってしまうことがあります。不思議なもので、ほとんどの問題は時間の長短の差はありますが、解決しますよね。英語の練習でもhit the wallと感じることがあるかも知れませんが、大丈夫ですよ。
補足:ハンガーノック
私はスポーツに疎いので、「ハンガーノック」という言葉を今になって知りました。マラソンや自転車競技など、長時間に及ぶ運動の途中に、疲労でほとんど動けなくなることを言うそうです。カタカナ表現なので、英語なのか和製英語なのかをチェックしてみたところ、南アフリカのスポーツ選手が使った言葉に由来しており、英語では使われていないとわかりました。英語では、hit the wallなのです。また、動詞bonk (完全にバテる) を用いることも多いようです。
~今日のフレーズ~
hit the wall 壁にぶち当たる、ばてる、心が折れる
■例文
(1) They have hit the wall now after five years of steady profits.
(彼らは、安定収益が5年続いたが、今、壁にぶち当たっている。)
(2) I hit the wall after only the first kilometer of the long-distance running.
(長距離走の最初のたった1キロでバテてしまったよ。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!