助動詞の選択
命令文を使うほど強い口調ではなく、「ああしてみたら?」「こうしてみたら?」と勧めたり、助言するときの表現についてお話しします。語調の強さの順で並べると、
- ~しなければいけない
- ~すべき
- ~したほうがいい
- ~してみたら?
でしょうか。ネイティブスピーカー(母語話者)は、参考書が言うほど厳密な順位を付けているわけではありません。でも、だいたいこんな序列だろうと思います。これ、昭和の上の世代になるほど、習ったことと現実にズレが生じます。この話だけで「あ、”had better”の話に持ち込もうとしているな」と気づいたアナタはすばらしい!日本の英語教育の過去現在をよくご存知なのですね。
had better V
「~したほうがいい」という訳語で習うのが主流でした。私が高校生のときは、それで話が終わっていました。このフレーズが持っているニュアンスについてなんて、少しも説明がなかったんです。今は違います。学校の現場でも、英会話スクールでも、きちんとどういうニュアンスを持つフレーズなのか説明してくれますね。もし知らなかったり、習ったけど忘れていたということなら、ここで確認してくださいね。
had better は「上から目線」の含みを持つ言葉です。訳語から受けるイメージとは違います。日本語の「~したほうがいい」は単なるアドバイス。高圧的な印象はありません。一方、英語のhad better は目上の人が下の者に対して使う言葉だとされています。
「あの映画はすばらしい。観たほうがいいよ。」
と言いたいときに、
That movie is wonderful. You had better watch it.
としてしまうと、オススメしている感じはないのです。「観ろよ」と命令しているかのような雰囲気になってしまいます。
You should watch it.
と言えばいいんです。実は、had betterはネイティブの会話を聞いていてもそんなに多くは出てきません。ですので、使わなければいいです。会話のニュアンスで危険を冒す必要はないから、語彙として知っておくだけにすればいいのです。
mightは意外と使う
さて、助動詞を習い、説明も受けるわけですが、会話でなかなか思いつかないのがコレ。
You might like (to V)
You might want (to V)
です。どちらも、「~(してみて)はどうかな」という意味で、やわらかい感じの言い方になります。例えば、オススメのメニュー。
You might want hot chili chicken.
You might like to try hot chili chicken.
というふうに使います。相手に行動を促すときには、この表現を使えば失礼もないし、自分自身も「お、英語上達してるな」と実感できることでしょう。もちろん、
Why don’t you try hot chili chicken?
などの表現もオーケーですよ。いろいろ取り混ぜて使えると表現の幅も広がるし、使える表現が増えれば楽しいですからね。You might want to use “You might want to” and “You might like to”.
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!