アメリカでのとある経験

前フリ

1. アメリカのトラックはでかいです。日本のサイズに慣れているとびっくりします。隣を走られると威圧感がすごいです。

2. アメリカの鹿は大きいです。車が鹿をはねる事故がありますが、たいてい鹿は無事、車はフロント部分がめちゃくちゃです。実際、私の友人も鹿とぶつかり、自身が死にかけました。

本題「工藤 裕、アメリカの田舎道にて」

私のアメリカ滞在は1996年夏から3年半ほど。車がないと不便な田舎町での生活です。最寄りのマクドナルドに行くのに車で片道30分、寮とそのマックの間は道しかなく、両脇は緑、緑、緑です。そういう田舎に住んでいました。

細かいことは忘れましたが、ある日私はどこかへ行くために一人車を走らせていました。途中、丘を上る一本道がありまして、私はそこを進んで行ったんです。坂道をずうっと上へと走っていると、丘のてっぺんに何かが見えました(図1)。

【図1】

「あれ、何だろうなあ」と思いながら走り続ける私。ほどなくして、それが動物であるらしいことがシルエットからわかりました(図2)。

【図2】

「角っぽいものが見える。丘のてっぺんに鹿がいる!」と気付いたんです。そしてさらに車を進めると、鹿がこちらを見つめているのがはっきりとわかりました(図3)。

【図3】

見つめ合う二人(一人と一頭)。私は運転を続けます。しかし不思議なことに、その鹿はずっと私を見つめたまま動こうとしません。ただただ私を見つめ続けるのです。「すまぬ。君の愛を受け入れることはできない。だからそこをどけとくれ」と念を送る私。アメリカンサイズの鹿に近づいて行くのはけっこう緊張します。

鹿が動かなかった理由

ギリギリまで近づけば、鹿も逃げてくれるだろう。そう思って私は運転を続けました。

それでもまだどけぬ鹿。

「ああ、もうクラクション鳴らそう」と思ったその時、鹿が私を見つめ続ける理由がわかりました。その鹿は、この世の住人(住鹿)ではなかったのです。

車内からは【図3】のように見えたのですが、丘のてっぺんに到着して目撃したのは、次のような悲しい現場だったのです(図4)。

【図4】

ひゃあ!!

鹿の頭部がどどん。道の脇には胴体がごろりん。アメリカンサイズの鹿がアメリカンサイズのトラックにここで轢かれたのは明らかでした。体が分離され、なんと首が立った状態で、この丘の頂上、道路の真ん中に置かれるような形になっていたのでした。

偶然が重なったんですね。走っていたのが上り道だったこと、頭の向きが向きだったことなどが重なり、この鹿は道の真ん中に立っているように思えたのです。

私は御首と御体の間をすり抜けるようにして、何事もなかったかのようにそこを去りました。冷たい男と思われるかも知れませんが、車を降りてもしょうがない状況でしたので、すみません。

アメリカでのできごとでした。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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