チップの習慣について
欧米諸国にはチップ(tip)の習慣があることはご存知でしょう。日本にはない習慣なので、慣れるまで少し苦労する場合があります。チップのことが気になって落ち着かなかったり、気にしすぎて、逆に渡すのを忘れるなんてことも起こります。あるツアーに参加したとき、チップの習慣を知らない人がいて、ホテル従業員がムッとするという場面に遭遇したこともあります。アメリカを例に挙げますので、確認してみて下さい。
チップとは
チップは「お心付け」という意味です。サービスに対する感謝の気持ちとして渡すお金のこと。チップの習慣があるからなのか、基本給が低く設定されていることが多いようで、チップが大事な収入源という人は少なくありません。提供するサービスの満足度に応じて、チップ額が上下するのも一般的です。ですので、良い接客をしようとがんばってくれますから、サービスに満足したら相場よりちょっとくらい多めのチップを渡してあげるのが粋です。
ホテルで
ホテルで、部屋まで荷物を運んでもらったら、荷物ひとつ当たり1, 2ドル程度あげましょう。荷物を運び終わると部屋の説明をしてくれますから、その後に渡します。ホテルの掃除とシーツ交換は、ベッド一台につき1ドル。朝起きて、出かける時、つまり清掃前にベッド脇の机上か、枕の下に置きます。私は枕の下に置くのが好きです。
タクシーで
タクシーは料金の10%から15%が相場です。車のトランクへの荷物の出し入れを手伝ってもらったら、荷物1個につき1ドルを足すのが一般的とされています。
レストランで
レストランでは、料金の15%から25%くらい。高級レストランだと25%以上になることが多いですが、サービス内容を見て判断です。レストランで注意すべきポイントですが、伝票がチップ込みで記載されている場合があるんです。向こうでチップ額を決めてくれているということです(賛否あると思いますが)。余計に払うことのないように、伝票はきちんとチェックしましょう。
余談ですが、欧米のレストランではあなたのテーブル担当のウェイター、ウェイトレスさん(昨今ではserverと呼ぶことも)がいます。オーダーを取る前に自己紹介してくれますので、顔と名前をきちんと覚え、すべてその人を通じてやり取りすることになります。
さらに余談ですが、支払いはテーブルで済ませます。伝票を持ってレジに行くということはしません。私がとあるレストランに行ったとき、ウェイターから支払い方法の説明をされました。レジには行かないでくれと。たぶん、日本式の支払いをしようとした人が過去にいたんでしょうね。「支払いは、ウェイター呼んで、テーブルで」です。お忘れなきよう。
おつりはどうするのか
次に、チップを渡そうと思ったのに大きい額の紙幣しかなくて、気の弱い日本人がそのまま渡してしまったという話は都市伝説ではなく実話であり、よく聞く話です。ここでいう「気が弱い」とは、もちろん英語を話したがらない病のことですよ。チップに100ドルとか、あり得ません。財布に高額紙幣しか入っていないんだったら、堂々と自分の状況を伝えましょう。英語のうまい下手を気にしている場合ではありません。
「チップのお釣りをくれ」
と言えばいいんです。もっとも、チップの習慣を持つ国にいるのですから、1ドル紙幣を少し多めに持ち歩くようにするのがベターです。コインでジャラジャラと渡すのは、あまりいい感じはしません。スマートに紙幣を一枚さらっと渡すのが粋です。
チップの説明をしました。世界には、欧米とは異なり、チップを渡されても困るとか、抵抗があるという文化圏も存在します。旅の前には、訪問先の基本的な習慣を調べましょう。そういう調べ学習から生活の違いを知るのも楽しいものです。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!