英語として通じる日本語という都市伝説

昔むかしから、この日本語を言えば英語として通じると言われているフレーズがあります。例を見てみましょう。

掘ったイモいじるな

What time is it now?

斉藤寝具店で~す!

Sightseeing, 10 days.

危ない!

Have an eye!

以上、似ているんですが、通じるという言い方が正しいかと言えば少し違います。解説しますね。

「常識的流れ」という暗黙の了解

会話には「常識的流れという暗黙の了解」があるのです。「掘ったイモ」はwhat timeと捉えると言語直感的に妥当だという感覚が働くわけですね。腕時計を指差すジェスチャーを添えながら、”Excuse me, 掘ったイモいじるな”と、そこまでやれば完璧に通じますよ。いずれにせよ、お相手は「掘ったイモいじるな」全部を聞いているわけではありません。hottaim (⇒ what time)と、せいぜいna (⇒ now)くらいです。

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「斉藤寝具店で~す!」は基本的には通じません。これが通じたと言う人がいるとすれば、それは入国審査官の常識的流れ的配慮です。端的に言えば、「店で~す!」を”10 days”と解釈してもらえたに過ぎません。担当者は、10日で帰るなら観光だなと判断できるので、特に問題はないんです。「斉藤寝具」(saito shingu)がsightseeingに聞こえることは音声学的にありません。「斉藤寝具店で~す!」と街中で言ってごらんなさい。「はあ?」の世界です。通じません。常識的流れが働かないからです。

人に車が!とっさに「危ない!」と言った。その人は身をかわして危険を逃れ、感謝してくれた。こんな伝説。いつしか、”Have an eye!”は「気をつけろ」という意味の英語だと広まったようです。have an eyeは「見る目がある」「注目する」という意味はありますが、「気をつけろ」の意味では使いません。その場合は”Watch out!”と言います。この事例は、とっさの場面で大きな声を上げたら、誰だって「何だ?」と思うだろ、というだけの話です。「危ない」がhave an eyeに似ているか以前の話です。

真剣に議論するほどのフレーズではないんですよね、はい。ポイントは、ボキャブラ天国的な日本語フレーズが英語として通じるかどうかは、実際のところは発音だけでなく、会話に常識的流れがあるかどうかで決まるというお話でした。まあ、都市伝説は都市伝説です。

 

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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