クラウドとカタカナ発音について

「クラウド」というキーワードは、今ではすっかり当たり前になりましたね。あちこちでクラウドサービスという言葉を耳にします。しかし、そこは日本語のカタカナです。元の言葉をきちんと理解している人はどのくらいいるのかなという心配が。余計なお世話かも知れませんが・・・。

「クラウド」は2種類

カタカナ表記は便利なのですが、デメリットのひとつはLとRの区別を表せない点です。英語にはcloud(雲)crowd(群衆)という単語がありますが、どちらもカナ表記すると「クラウド」になってしまうんですよね。「ネットや経済関係で登場するクラウドはどちらですか?」と聞かれることがありますが、両方ともなんです。

雲のクラウド

この投稿のトップ画像は「雲」が由来になっているクラウドを表したものです。昔は、データは自分のパソコンに保管するしかありませんでした。それが今では、ネット空間に「雲」のような場所を作り、みんなのデータをそこに預けることができるようになったのです。これをクラウド・コンピューティング(cloud computing)と言います。

文書、写真、動画などを「お空の雲」に預けておけば、自分のパソコンやスマホは軽いまま。持ち歩く必要がありません。どこにいても、その雲につながることさえできれば、いつでもデータに触れることができるのです。

クラウド・コンピューティングは、短く「クラウド」と呼ばれ、英語ではthe cloudと定冠詞を付けます。

群衆のクラウド

インターネットの普及により、それまでは企業などの大きな組織体でなければできなかったことが個人単位でできるようになりました。従来型の銀行融資に頼らず、一般の人から資金を調達してビジネスプロジェクトを立ち上げる動きが盛んになっています。クラウド・ファンディングと呼ばれるのがそれです。こちらが「群衆」を意味するcrowdで、英語では、資金調達を意味するfundingとくっつけてcrowdfundingと1語扱いで表記します。

また、資金調達だけでなく、人材募集や仕事の発注・受注もネットを介してできるようになりました。いわゆるクラウド・ソーシング(crowdsourcing)です。

cloudとcrowdの違いを整理すると

ここまでの説明で大枠は理解してもらえたでしょうか。

cloud(雲)のクラウドは、仮想空間に作った「物置」のようなものと考えればよいでしょう。一方、crowd(群集)のクラウドは、不特定多数の人たちに向かって、資金援助や仕事の受発注を呼びかけるイメージです。群衆なので「人」です。

区別は「物」か「人」かによりますが、どちらもインターネットの発達によって可能になったものですから、どっちのクラウドでも意味が通るような気にはなりますね。私もしばらくの間、クラウド・ファンディングはcloudだと思っていました。

英語ネイティブ・スピーカー(母語話者)の間でcloudかcrowdかの混乱があるかどうか、聞いてみたことはありませんが、興味があります。機会を見つけて聞いてみますね。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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