カタカナ語は意味がずれていく

「ユニーク」と聞いてどんな意味だと思っていますか?

「山田さんってユニークな人だよね」

「この番組はユニークだから欠かさず観ている」

というように使っています。「おもしろおかしい」「風変わり」という意味になるでしょうか。多くの人がそう捉えていると思います。日本語の中のカタカナ語として使っている分には定着した意味でいいですが、英会話でとなると話は違ってきます。

ユニーク、英語ではuniqueと書きますが、本来の意味は「固有の、唯一の」です。学校では時間を割いてまでは教わらないuniqueについて、少し文法語法的なお話をします。

uniqueの品詞は形容詞で、語法的な特徴は比較級・最上級がないことです。「non-gradable な形容詞は比較級、最上級にならない」と文法書には書かれています。比較級・最上級がないとはどういう意味かですが、意味で決まります。uniqueの本来の意味である「固有、唯一」は比較のしようがありません。「それしかない」という意味ですから他と比べようがないのです。これに対して、カタカナ日本語の「ユニーク」は、「唯一」という意味からズレてしまっているので注意が必要ということになります。英語のuniqueも同じ意味で使っていると思ってしまうと、”more unique”や”the most unique”と言ってしまいそうですね。英語ネイティブスピーカーの感覚から言えば、おかしな話になるわけです。

uniqueのような「度合い」を持たない語は比較級・最上級を作れません。度合いがない形容詞には、

dead/alive, possible/impossible, correct, perfect

などがあります。こうして見ると、直感でわかるものもありますね。知っていて損はない知識です。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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