こんにちは。オンライン英語・英会話コーチ工藤 裕です。今日の英語表現、行ってみましょう!

英語では「目を細めて笑う」という言い回しはしない。

検索すると他の英語ブログでも扱っているトピックなのですが、私も乗っかります。単に乗っかるだけだと悔しいので、違う視点も盛り込めたらいいな、などと思いながら。

小さい子や動物を見て「目を細める」と言えば、笑っている様子を思い浮かべます。よく例に挙がるのは祖父母と孫の風景でしょう。

「歩き始めたみいちゃんが赤い鼻緒のじょじょ履いて表に出たがっているのを見て、じいじとばあばは目を細めていた。」

私たちにとっては、いたって普通の表現である「目を細める」。辞書にもあるように、微笑みを表します。一方、これを英語に直訳して言うと、微笑みの意味にはなりません。不快感を表した険しい表情、厳しい表情を意味します。あるいは、近眼などの理由で物をよく見ようとしている顔の意味になるのです。では、実例を。

narrow one’s eyes

このフレーズのnarrowは動詞で、「狭める」という意味です。「目を狭める」なのですが、物をよく見ようとして目を細めるという時や、不快感や疑いを表す時に使います。

(1) I used to narrow my eyes to see the blackboard when I was at high school.

(高校時代は黒板が見えるように目を細めていたものだ。)

(2) Mary narrowed her eyes at me.

(メアリーはいぶかしげなまなざしを私に向けた。)

×メアリーは私に微笑んだ。)

squint

「目を細める」を英語ではどう言うのだろうと辞書検索をすると、squintという語も出てきます。これも微笑みを意味する言葉ではありません。単に目を細める動作と言ってもよいでしょう。物をよく見ようとする時、光が強かったりまぶしい時、何かに狙いを定めようとしている時に目を細くして見る行為をsquintと言います。

(3) I’m shortsighted, so I often squint.

(私は近眼なので、よく目を細めてしまいます。)

英語で「微笑み」を表すには?

結論から言うと「目を細める」を英語に直訳するのはあきらめて、表現自体を変えましょう。「微笑む」と言えばよいのです。

smile

これが一番シンプルです。

(4) Mom and Dad smiled at the sight of their granddaughter. I mean, my daughter.

(父と母は自分たちの孫娘の姿を見て目を細めた。私の娘のことだがね。)

次のような表現もあります。

(5) George was all smiles at the sight of his grandson.

(ジョージは孫息子の姿に満面の笑みを浮かべていた。)

beam

beamは元は「光線、ビーム」のことですので、「光を発するように微笑む」感じなのでしょうね。

(6) “Oh, she’s so adorable!” Grandma beamed.

(「まあ、かわいい!」と祖母は目を細めた。)

grin

辞書的には「歯を見せて笑う」とありますが、「にこっ」や「にかっ」のイメージです。「目を細める」の雰囲気とは違いますが、知っておいて損はないでしょう。

(7) Dad grinned with pleasure when he saw my baby for the first time.

(父は私の赤ちゃんに初めて会って、喜んで笑った。)

Comments (ひとこと)

英語では微笑みを表す時に「目を細める」という言い方はしないと上で述べました。これは顔の作りが関係しているからかもしれません。

今でこそ世界中の多くの人が使う言語になった英語ですが、そもそもはイギリスという島の言葉です。人の移動が世界規模で起こる前の時代を考えれば、英語話者イコール白色人種だったわけですが、日本人とは体や顔の作りが違いますよね。笑顔に対して持つイメージも違って当然なのだと思います。日本語とは違う表現を用いても不思議はありません。

実際、欧米人の笑顔をよく見てみると、目を細めているというより、どちらかと言えば口元がにっこりという印象を持ちませんか?私はそう感じ取りますが、どうでしょう。

余談

新型コロナウィルスに関連してのマスク着用、欧米人は日本人以上に嫌がっていますね。もともとマスク着用の習慣がないからだと知った人は多いと思います。理由はいくつかあるようですが、ひとつには「相手の表情を読めないから」という心理的なものがあります。

テレビで見た心理学者の解説によると「日本人は相手の表情や感情の読み取りでは目を重視し、欧米人は口元を重視するから」とのことです。

今回のトピックに関連させると(強引ですが)、目を優先する日本人は、相手の目が細くなっていれば笑っているとわかる。一方、欧米人は相手の口元に笑みを感じ取るので、マスクは困った存在だということになるのでしょう。

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

無料メール講座を購読する

公式LINEからの配信を受け取る

英語コーチングとは

各コースのご案内

メールでのお問い合わせ

にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村