■back seatはどんな場所?
back seat、後ろの方の席と聞いてどんな場所を想像しますか?車、バス、劇場などで後ろの方と言われると、なんとなくランクが低い感じがあります。劇場や映画館などでは、後ろに座ると、遠くて細かい状況がよく見えません。できるだけ前の席を取りたいと思うのが普通の心情です。
車の場合だと、運転者は移動そのものを仕切りますからリーダー的。助手席2番手という感じです。後部座席には仕切る感じはありません。イメージの話なので、会社などの偉い人は後ろに座るとか、タクシーの客はどうなんだという話は置いておきますけどね。
席が後ろというのは、有利ではない印象があるわけです。
■比喩としてのtake a back seat
最初に基本のおさらいですが、「座る」を英語ではsit downと言います。これの別の言い方は、take a seatです。
(1) take a seat
(会話ではTake seat.が「座れ」から転じて「おとなしくしていろ」という意味で使われることもありますよ。)
今回紹介するフレーズは、take a back seatですから「後ろの方の座席に座る」という直訳になります。文字通りの意味でも使いますが、比喩的にも使われます。上で説明した通り、後方座席はランクが下、不利、主に対しての従というイメージがあります。このことから、take a back seatで「目立たないようにする、おとなしくしている」という意味でも使われるようになりました。
(2) take a back seat (目立たないようにする、おとなしくしている)
比喩としてのtake a back seatは、アメリカで1800年代中頃に初めて使われるようになったようです。考えてみると、普段使っている言葉を比喩として初めて使う人って、相手に意図が通じなかったらどうしようと不安になることはないのでしょうか。勇気があるなと思います。
■例文 Examples
(3) I’ll take a backseat this time. (今回は目立たないようにするよ。)
(4) John loved directing more than he even thought he would, and his acting career has taken a back seat ever since. (ジョンは自分の想像以上に監督業が気に入り、それ以来俳優業は控えめになっている。)
余談:アメリカが自動車大国であることから、私はtake a back seatというフレーズは自動車のイメージから派生したものだと思っていましたが、由来を調べてみるとそうではなかったのでした。
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!