■underprivileged
バブル経済崩壊以降、10年、20年、30年が経ち、この国はかつての勢いが失われ、格差社会が叫ばれるようになりました。のび太くんの家が仮に「普通」だとすると、スネ夫君の家は「上流」です。格差と言うと、主に経済格差を指しますが、そこから教育など機会の格差も生じます。現実のこととして、格差は世界のどこへ行っても存在します。そこで、持つ者は持たざる者へ手を差し伸べるものだという考えが生まれ、慈善活動が行われています。この時に使われるのが「恵まれない」という言葉。日本語だと漢字の「恵」から心情を察するところがありますが、英語でこの「恵まれない」をどう表わすのか、これはちょっと頭をひねるところです。
「恵まれない」は意味が広いので、英語で表わす場合はどういう状況でなのかを考える必要があります。「幸運ではない、不運だ」ということならunfortunateでしょう。これ、ダメではないですが、こちらがunfortunateだと思っても、当の本人がハッピーなら失礼なことです。そこで、「こちらと比べると(経済などの面で)幸運とは言えない」というニュアンスで、less fortunateと言う方がよいと思います。直訳は「より少なく幸運」となるので(lessはlittleの比較級)、「(自分たちほどは)恵まれていない」という意味合いになります。
もう少し深堀りしてみましょう。「アドバンテージ」というカタカナ語、advantageのことですが「有利、優位」の意味です。これの否定形容詞形がdisadvantagedです。「不利な」ですが「文化的、教育的、社会的に」というニュアンスがあります。これも「恵まれない」に含まれます。
そして今回のテーマ・ワードとして選んだのは、
underprivileged
という形容詞です。privilegeは「特権、特典」「(基本的人権による)権利」の名詞です。その頭にunder-、語尾には-edが付いた形容詞形ですが、「基本的人権に基づく権利よりも下にある」というイメージです。そのニュアンスは「社会的、経済的に地位が低い」です。disadvanted同様、これも「恵まれない」という言葉から感じ取られるニュアンスに近いでしょう。チャリティに参加、協力する時に、unhappy, unlucky, unfortunateなどを使っても間違いではないですが、主観的なので、より客観的に伝わる言い方として、disadvantedやunderprivilegedなどを使うとよいでしょう。
英語学習の初期は語彙が多くありませんが、上達してきたらいろいろ調べて単語選びを考えていくとどんどん伝わりやすくなり、自信につながりますよ。
~今日のフレーズ~
underprivileged 恵まれない
■例文
(1) I firmly believe in giving back to the underprivileged children.
(自分が得てきたものを恵まれない子どもたちに返す、それは大事なことです。)
*ここでのgiving backは「還元」のこと。
(2) This club is a charitable organization formed in 1900 to help the underprivileged families of the Townville.
(当クラブは1900年に設立された慈善団体で、タウンヴィルの恵まれない家庭を支援しています。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!