■push back

こちらの記事で、予定の前倒しの言い方を紹介しましたが、ご覧いただけたでしょうか。今回はその逆の、スケジュールなどを「遅らせる」という言い方を紹介したいと思います。予定は未定なので、スケジュールは早められたり、遅くなったりがよくありますね。予定の変更に対応できる英語語彙を身につけましょう。

今日のフレーズ~

push back 遅らせる、「後ろ倒し」にする

■例文

(1) Not everyone is back yet. Why don’t we push our meeting back to 4:00pm?

(まだ戻ってない人が何人かいます。会議は遅らせて4時開始にしましょう。)

(2) The show’s start time has been pushed back 10 minutes.

(公演の開始時刻は(当初予定より)10分遅くなっております。)

「(予定などを)早める、前倒しにする」を英語でmove upと表すことがあります。その反対の「遅らせる」、あるいは最近若い世代の人たちが言うようになってきている「後ろ倒し」、これを英語ではpush backと表すことがあります。

backは「後方へ」や「戻って」の意味の副詞です。これを時間の表現で使う場合、通常は「過去」を表します。back in 1868 (遡ること1868年に) のように言います。どこかで見聞きしたことのある言い方だと思うので、過去をイメージするのは楽でしょう。

不思議というかおもしろいのは、「予定を遅らせる」のpush backって未来の話ですよね。これはどういうことなのでしょうね。

push backは字義通りには「押し戻す」です。ラグビーの押し合いへし合いを想像してみましょう。押された側はどんどん後退していきますが、押す側の視点では、「先の遠くの方へ押しやる」感じになりますよね。この感覚で今回のフレーズを考えれば理解しやすいと思います。

自分と会議の間にある時間的距離が3日だとして、もっと間が離れるように先の方へ押しやると、その距離は4日、5日分になります。そのイメージがあって、push backと表しているのではないでしょうか。

move upの記事でも触れましたが、このような言い方は時に混乱を招きます。「早めるという意味?遅くするという意味?」と迷ってしまう人が出てくるのです。多言語環境の国や会社では特にそうでしょう。社会生活では、相手が誤解しないように言葉を選ぶのが大事です。本来は、push backと言うのであれ、move upであれ、同時に具体的な日時を添えて言うと正確に伝わるわけです。連絡事項では、あいまいにならないよう、具体的に、具体的にと気をつけたいものです。

余談。タイトルにある「後ろ倒し」という日本語、正式に掲載する国語辞典が出てきているようです。対応が早いのはもちろんウェブ版辞典。辞典に載るということは、日本語に定着した語彙だと判断されたということです。前倒しがあるんだから「後ろ倒し」があっても変ではない、言われてみるとそうかも知れません。

■音声確認

■Today’s One Word

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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