■lay a hand on [誰々]
「指一本触れない」という表現があります。「俺の女には指一本触れさせはしねえ」や「私の家族には(以下同様)」のようなセリフが、またにドラマなどで出てきます。また、「この機械には指一本触れるな」のような例もありますね。
表現としておもしろいと思うのですが、文字通りに指一本触れるだけの敵はいないのが普通です。その後のネガティブなことを言っているのですよね。誘拐、暴力行為、あるいは略奪愛系のナンチャラなどなどが含意されています。機械に触るなの場合は、例えば「壊したら困るから」という意味を持ちます。
このような例からわかるように、「触れる」は「(人や物に)手をかける、傷つける」という意味を含む場合があります。そして、どこの文化圏でも共通する発想というのはあるものでして、英語でも同様の言い方をします。
lay a hand on [誰々]
直訳すると「~に手を置く、乗せる」です。指と手の違いはありますが、意味は同じです。人や物に触れるという文字通りの意味でも使いますし、「手をかける、傷つける」の意味でも使われるのです。handですから、日本語の「手を出す」に近いでしょう。そしてなんと、代わりにfingerと言う場合もあり、さらに日本語の言い回しに近づきます。下の例文を参考にして、あなたの英語表現に加えてくださいね。
英語って楽しいなあ。
■大事な補足:lieとlayについて
lieとlayの区別はきちんとできていますか?これらは、私たちにとってもネイティブにとっても面倒な単語です。lieにはふたつの意味があります。「嘘をつく」と「横になる」です。「嘘をつく」のlieは、規則動詞で、lie – lied – liedと活用します。「横になる」のlieは、不規則動詞なので、lie – lay – lainと変化します。
layは「横にする」の意味で、変化は規則動詞ですが、つづりが不規則(笑)。lay – laid – laidと活用します。
- (1) lie (嘘をつく) lie – lied – lied
- (2) lie (横になる) lie – lay – lain
- (3) lay (横にする) lay – laid – laid
lieにはふたつの意味があり、不規則動詞のlieの活用の中に、layが入っていますから、これはもう大変です。意味と活用を考えながら何度も反復して、きちんと覚えましょう。会話でうっかり言い間違えるということはあるかも知れませんが、知識上の整理はしておきましょうね。
~今日のフレーズ~
lay a hand on [誰々] ~に触れる、手をかける、傷つける
■例文
(1) If you lay a hand on me, I’ll scream.
(私に触れたら、大声出しますよ。)
(2) No one laid a hand on my son again after he started martial arts training.
(武道を始めてからというもの、もう誰も私の息子に手を出すことはなくなった。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!