■go cold turkey
日本の喫煙状況もずいぶん変わりました。路上喫煙する人はほとんどいなくなり、喫煙スペースのあるお店もあまり見なくなりました。タバコの値段も今やすっかり高級品のそれです。何と言っても、若い世代が喫煙を大人の印だと思っていないのは大きな変化です。
喫煙や飲酒に限らず、心身に悪影響を及ぼす習慣をやめるのは大事なことです。平易な英語では、「やめる」は動詞stopやquitで表します。今回は、その意味で使う慣用句の紹介です。
go cold turkey
で「きっぱりやめる」という意味なのですが、奇妙なフレーズですね。cold turkey、文字通りには「冷たい七面鳥」なのですが、「やめる」の意味で使われているのです。
使い方ですが、go cold turkeyだけ使えます。たいていはタバコか酒の話題ですが、具体的に何をやめる(やめた)かを示したい時は、go cold turkey on [何々] と、onを続けます。下の例文(2)が該当します。
また、quit [何々] cold turkeyという形も見られます。I quit smoking cold turkey.やI quit drinking cold turkey.のように言いますよ。
海外のサイトを検索すると、cold turkeyの由来は諸説あり、はっきりわからない部分があると書かれています。talk turkey (率直に物申す) という慣用句が出発点だとか、いくつか説はあるようです。しかし、広く一般的に認知されているのは、薬物中毒に関連する説です。
1960年代、あるいはそれ以降のサブカルチャーに詳しい人なら知っていると思いますが、薬物を断った時の禁断症状をcold turkeyと言っていたのです。日本は薬物問題が比較的少ないので、リアルな事例に接することはほとんどありません。どうやら、クスリの禁断症状には、寒気と鳥肌があるらしいのです。これを冷蔵庫の七面鳥に例えるようになったと。七面鳥はアメリカでは感謝祭(Thanksgiving)の必須メニューですから、私たちが思う以上に身近な食材です。それで比喩に使いやすいのですね、きっと。
薬物への禁断症状を指していたcold turkey、後に飲酒喫煙などをきっぱりやめるという意味に変化していったというのが、広く受け入れられている説です。
cold turkeyは日常会話頻出というほどではないと思いますが、健康の話題で飲酒喫煙などをやめましょうという話になれば、出てくる可能性はあります。聞いて、あるいは読んでわかるようにしておくといいでしょう。「なんで七面鳥の話になるんだ?」と混乱しないで済みますよ。
~今日のフレーズ~
go cold turkey きっぱりやめる
■例文
(1) My dad had smoked for 30 years but he went cold turkey last month.
(父は30年続けていたタバコを先月きっぱりやめた。)
(2) A couple of years ago, Laura went cold turkey on drinking.
(2, 3年前のことだが、ローラは酒をきっぱりとやめた。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!