■Touché.

私たちが日常で話す言葉は、決して無味乾燥に単語を述べているわけではありません。リズム、比喩、擬音語・擬態語、外来語などを用い、無意識のうちに「活きが良い」言葉にしています。自分とは直接関わりのない分野の用語なども応用することがありますね。例えば、議論などで負けを認める時に、「一本取られたなあ」と言いますが、これは柔道や剣道で技が決まって、勝負がつくことに由来しています。英語にもこの「一本取られた」に相当する表現がありまして、それはフェンシングから。

Touché.

と言います。フェンシングはフランス発祥ですので、Touchéは英語ではなくフランス語からの借入語です。英語においても、フランス語っぽく「トゥーシェイ」のように言います。フランス語では、語末のeの上に点が付いてéになっていますが、英語では元々使う習慣がないことと、デバイスの入力環境に依存するので、英語文章ではeだったりéだったりします(この記事のトップ画像では点を打てませんでした)。

フェンシングの用語を借り入れて「一本取られたな、参ったな」という意味で使うTouchéですが、スポーツ音痴の私は千葉県フェンシング協会のサイトを覗いてみました。カタカナでは「トゥシェ」と表記、「突き」の意味なのですね。また、つづりを見てすぐに気付きますが、英語のtouchの語源でもあります。相手の剣先が自分に触れてトゥシェが決まる、と。英仏語は歴史的にきょうだい、いとこみたいな関係ですし、これで納得です。

短い言葉なので気付きにくいかも知れませんが、映画やドラマでもセリフに出ていると思います。次に何か観る時には、このフレーズが言われるかどうか、耳をそばだててみてはいかがでしょうか。

最後に、フェンシングは国際大会でも用語はフランス語のままですが、それと同じように柔道、剣道も用語は日本語のままです。技が決まれば「イッポン!」と宣告されますね。英会話の相手が柔道を知っていれば、これを使ってもいいと思いますよ。「こりゃ一本取られたなあ」をTouchéと言う代わりにIpponと。こういう応用は堂々と笑顔でやってみてください。今は英会話で使われているわけではないですが、みんなで使えば定着するかも知れません。

~今日のフレーズ~

Touché. 一本取られたな、参ったな

■例文

(1)

A: You tell me to eat vegetables, and you eat only meat.

(私には野菜を食べろと言って、自分は肉ばかりだね。

B: Touché.

(こりゃ一本取られたな。)

(2)

A: You watch TV shows to criticize them on social media. If you hate them, why don’t you stop watching TV?

(SNSで批判するためにテレビ観てるじゃん。そんなに嫌ならTV観なきゃいいでしょ。)

B: Uh, touché.

(その通りなんだよな。)

■Today’s One Word

今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!

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