■in a pickle
個人的な関心が最近は比喩に向かっています。日本語話者として、日本語の比喩は人並みに理解できますが、外国語の比喩表現は日本人にはわかりにくいものが存在します。人間なら誰でもわかりやすい比喩がある一方、その言語特有の表現もありますね。そこは訓練や慣れが必要になります。今回紹介するフレーズも比喩表現ですが、わかりやすいタイプかと思います。
in a pickle
「困っている、難局に立っている」という意味です。pickleと聞けば思い出すのがピクルスです。日本では主にハンバーガーに使われているものをイメージする人が多いと思います。ピクルスを好きではないという人は多いので、in a pickleの和訳を見れば納得はしやすいですね。
このフレーズのpickleは、野菜のことではなく漬け汁(ピクルス液)を指しています。塩や酢を使うので、それに人間が浸かるのを想像したら嬉しいとは感じません。まさに苦境ですよね。古い時代に、ご遺体を同様の方法で保存していたという記録が残っているそうで、そのこともこのフレーズ誕生に関連しているらしいと。また、雑学の観点では、in a pickleはもともとはオランダ語発祥の表現が英語に入ってきた、いわば輸入語だということです。このフレーズの歴史は古く、英語サイトを検索すると、シェイクスピアの「テンペスト(あらし)」でin a pickleが使われているという話が複数ヒットします。400年もの長きにわたりネイティブに愛され(?)使われているフレーズなのですね。廃れる言葉が数多ある中でサバイバルしてきた、たいしたものだと思います。
私はそんなにピクルスは好きではありませんが、この機会に「テンペスト」を買って、ピクルスをかじりながら読もうかなと思います。
~今日のフレーズ~
in a pickle 困っている、難局に立っている
■例文
(1) I’m kind of in a pickle. My girlfriend fell in love with my best friend. I’m not sure what to do.
(困ったことになった。カノジョが親友に惚れちゃって。どうしたものか。)
(2) The boss hates everything on which I work. I’m in a pickle.
(上司は俺が関わるものは全部嫌がるんだよ。参ったな。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!