■Easy does it.
急げと言われて慌ててやると、危ないから慎重にやれと言われます。両方満たせれば理想ですが、慎重に急げる人は実はそんなに多くないはず。失敗や危険を未然に防ぐのは大事なことですが、スピードが求められる昨今、焦って失敗することが増えた気がします、私は。でも、なんだかんだ言っても、失敗や事件・事故が起こるよりは多少ゆっくりの方がマシというもの。ひとつひとつの作業は確実な方がいいですね。今回のフレーズは
Easy does it.
です。ご覧の通り、文法的な文ではありません。これは定形表現で、このまま覚えて使います。主に大きい物、重い物、壊れやすい物を運ぶ場面で使われますが、相手に気をつけてほしい時、あまり無理しないでほしい時にEasy does it.と声をかけます。「気をつけてね」「注意してね」「慎重にね」「焦らないでね」という意味です。また、よく知られている表現Take it easy.の意味でも使われます。「気楽にやれよ」「お手柔らかに」「怒らないで、かっかしないで」ですが、こちらは動作ではなく気持ちの上でということになりますね。
Easy does it.の由来
Easy does it、文法的ではないと上で言いましたが、昔の英語だと思われます。聖書を読んだことはありますか?信者ではなくても、英語や他の西欧言語を学ぶ時には、聖書の知識が少しでもあると助けになります。Easy does it.は、新約聖書の「山上の垂訓(または山上の説教)」の一節に由来すると海外サイトの説明にあります。しかしながら、聖書の現代英語版を見てもEasy does it.とは出てきません。どうやら、昔々の、今の姿の英語ではない時代の版で使われていたフレーズらしい。参考までに、Easy does it.が使われていたとされる箇所の現代英語は以下の通りです。
Therefore do not worry about tomorrow, for tomorrow will worry about itself. Each day has enough trouble of its own. [Matthew 6:34]
(だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。 その日の苦労は、その日だけで十分である。(マタイ伝 6:34))
このブログは現代英語・英会話表現専門ですので、これ以上のことには触れませんが、もし聖書、古英語、歴史等に詳しく、今回のフレーズの由来についてご存知の方がいらっしゃったら、ご連絡をいただければ幸いです。
~今日のフレーズ~
Easy does it. 焦らず慎重にやりなさい。
■例文
(1) You can go down the hill on your new snowboard, but easy does it. Don’t hurt yourself.
(新しいスノボで丘を滑ってもいいけど、慎重にね。ケガしないでね。)
(2) Bob, easy does it. You’re carrying fragile stuff.
(ボブ、気をつけてね。壊れやすい物だから。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!