■break it/the news to [誰それ]
雇用について、日本と米国を比べるとどんなイメージがあるでしょうか。前者は年功序列の終身雇用、後者が実力主義で流動的という捉え方が今でも一般的でしょう。日本の大手が雇用・賃金体系の見直しに入ったと聞くことはありますが、現時点では一部の企業の動きだと捉えられているでしょう。
是非はともかくとして、アメリカの雇用は日本よりシビアだと言えます。特に解雇については容赦ない印象です。ある日突然“You’re fired.” (クビです) と通知を受けるのは、映画の中だけではありません。lay-off (一時解雇) と言っていますが、事実上のクビです。「一時」を期待して戻れる人はまずいませんので、言い渡された人はすぐに次の職探しです。
厳しいですが、これを伝えなければいけない人事担当者の気持ちはどうなのでしょう。職場によってはクールでドライかも知れませんが、誰か代わりに伝えてあげてくれよと思うのはどこの国でも、だいたい同じではないでしょうか。
人は時として悪い知らせ、知りたくない情報を誰かに伝えなければいけない時があります。その役割はできれば担いたくないですが、誰かがやらねばならぬとあっては、自分がそうなったら腹をくくるしかありません。今日のフレーズは
break it/the news to [誰それ]
です。「相手に都合の悪いような話・情報を告げる、発表する、公表する」という意味のフレーズです。breakは「壊す」ですが、物を壊す時には力を入れることが多いですよね。それをイメージしてください。伝えるのに気が進まない内容を相手に言わねばならないので、勇気を振り絞る、心の力を出して言葉を発する、そんな感じです。動詞breakは、力を込めたり、一生懸命のニュアンスで使われることが他にもありますので、参考にしてもらえればと思います。
break it to, break the news toと二通り紹介しています。このように、目的語はitかthe newsなのですが、どちらも慣用的なものです。itは伝える内容を指し、the newsも必ずしも報道的なニュースではなく、伝える内容を指します。
最近、ありがたくない話を伝える役割に当てられたことはありますか?
~今日のフレーズ~
break it/the news to [誰それ] [主に悪い話・情報]を告げる、発表する、公表する
■例文
(1) Your father will be furious if he learns of our engagement. You have to break it to him first!
(婚約したことを君のお父さんが知ったら怒るだろうな。君から先に伝えてあげてくれよ。)
(2) I didn’t want to be the one to break the news to him.
(そのことを奴に知らせる役割は努めたくなかった。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!