■sneak peek
日本人のカタカナ好きは相変わらず。特に現代は、生活にネットが浸透しましたから、関連の用語を日本語に訳すよりそのままカタカナ化する方が手っ取り早いという実情もあります。好き嫌いの話ではないかも知れませんが、もはや単なる記号なんじゃないかと思う程カタカナが溢れています。
この20年程になるでしょうか、「トレーラー」という言葉をよく聞きます。私は映画DVDのメニュー画面で見たのが最初でした。「大型車両?」と一瞬思ったのですが、そうでないことはすぐに気付きます。予告編のことを英語でtrailerと言うのです。予告編と言うのをやめて、トレーラーと言うようになってきたのですねえ。
トレーラーという車両があります。一般的なイメージは大型トラックの一種、ですね。厳密には、trailerは貨物の乗っかった荷台部分のこと。引っ張る方はトラクター(tractor; 牽引車両)と呼ばれます。
以前のアメリカの映画館では、公開予定作品の紹介は本編が終わってから流されていたのです。この順番から、予告編を比喩的にトレーラーと呼ぶようになったわけです。今では本編前に予告編を流すのが主流ですが、言葉としてはそのまま残り、予告編そのものがtrailerと呼ばれるようになりました。
これに似た意味の表現で、
sneak peek
というのがあります。これは「ちら見せ」、「発売前の新商品、公開前の施設やイベントなどのプレビュー」のことで、映画やゲームなどのtrailerの意味で使うこともありますよ。「ここでみなさんにちょっとだけお見せしちゃいますね~」というアレがsneak peekです。
sneakは「こっそり近づく、こっそり入る」の意味。peekは「ちらっと見る、こっそり見る」です。sneak peekは名詞扱いでして、全貌は明かせないが、その一部だけならいいよというのをこう呼ぶようになりました。
予告、告知ではpreviewが標準的な言い方になりますが、traierも日本語に入って来たことですし、「スニークピークをどうぞ!」のように番組MCが言うようになる日も近いでしょう。たぶん。
~今日のフレーズ~
sneak peek ちら見せ、先行公開、プレビュー
■例文
(1) I saw on YouTube a sneak peek of the movie that will be released next month.
(YouTubeで来月公開の映画のプレビューを見たよ。)
(2) The company is offering a sneak peek at the new software.
(会社は新しいソフトウェアを少しだけ目にする機会を提供しています。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!