■an avalanche of
何気なくテレビの電源を入れると、通販番組に当たることがあります。そこでよく聞くのが、「今から30分以内にご注文の方にはなんと・・!」というもの。スーパーのタイムセールみたいな、お得な時間帯です。番組ではたいてい特典が付くという話になります。購入をためらう視聴者の背中を押す作戦ですが、実際に効果があり、コールセンターには注文の電話が殺到するそうです。
「殺到する」、これを英語でどう表せばいいでしょうか。辞書をチェックすれば単語は見つかりますが、とっさの一言ではどう表せばよいでしょう。以前、宮沢賢治作「注文の多い料理店」の英語翻訳版のタイトルを見たのを思い出しました。“The Restaurant of Many Orders”です。
注文が殺到しているということは注文が多いのですから、基本的にはmany ordersで伝わることは理解できます。ただ、この場合、many orders (たくさんの注文) は名詞ですから、「殺到する」という動詞とは文の中での働きが違いますよね。ちょっと工夫して、“We have many orders.” のように言ってあげればオーケーとなります。
でも、manyだと「殺到」の感じが出ないのは事実です。「どどっと感」がないのですね。そこで、今回はそのニュアンスを持ったフレーズを紹介します。
an avalanche of
です。a lot ofのlotをavalancheに入れ替えたと考えてください。avalancheとは「雪崩(なだれ)」のことです。
雪がものすごい勢いで斜面を下る様子から、too many things that arrive or happen at the same time (同時に訪れる、または起こるものすごい数の物事) という比喩的な意味で使われ、日本語への直訳は「~の殺到」となります。
arrive or happen at the same timeとあるので、ただ数量が多いということではなく、大量に押し寄せてくる物を指して使うフレーズになります。下の例文を参考にして、文の中での使い方を感じ取ってくださいね。
通販番組の「今から30分以内・・・」ですが、かかってくる電話の数をその時間に集中させることで、委託しているコールセンターにかかる費用が節約できるという面もあるそうです。放送中から終了後30分間はオペレーターの数を増やし、その後は少なくすることで、費用を削減しているのですね。
~今日のフレーズ~
an avalanche of ~の殺到
■例文
(1) That book received an avalanche of praise and bestseller stardom.
(その本には称賛の嵐が寄せられ、ベストセラーの座を獲得した。)
(2) The company staff is being swamped by an avalanche of paper work.
(その会社の従業員は、殺到する事務作業に追われ、一杯一杯になっている。)
■Today’s One Word
今回は以上です。今日のあなたの精一杯の英語を話しましょう!!